「なんてつたって僕らのアイドル」 打感で選ぶお手頃中古軟鉄鍛造アイアン6選
ドライバーをはじめとしたウッド製品には新素材やテクノロジーがどんどん注ぎ込まれるが、アイアンは昔ながらの軟鉄鍛造ヘッドがモデルチェンジを重ねている。特にプロや上級者に愛用者が多い。今回は軟鉄鍛造アイアンが中古ショップでも大いに支持される要因を考え、人気商品を紹介する。 【画像】港区ゴルフ女子 左から美涼さん、みうなさん、エイミさん
「柔らかけりゃなんだっていい」わけじゃない
クラブの表現方法の常とう句に「打感が柔らかい」がある。アイアンのインパクトの打感はヘッド内部に樹脂を入れたり、バックフェースに衝撃吸収材を貼り付けたりしても柔らかくはなる。 しかし、軟鉄鍛造アイアンで感じる柔らかさは少し違う。インパクトでボールをつぶした感触の中に、しっかりとした手ごたえが残る。あるいは、金属の塊でボールを押し込んでいるような感覚が、ズシリと手に伝わってくる…とでも言うべきだろうか。 軟鉄モデルはやはり「打感が柔らかい」という“信仰”もあってか、人気が衰えない。タイトリストは2005年に「735・CM」というアイアンを発売。同じヘッド形状にもかかわらず、軟鉄クロムメッキモデルとステンレスサテン鋳造モデルがあった。鈍い筆者が感じられた差は、微妙な音の違いくらいだったのだが、軟鉄モデルのほうが高価で買い取りされていた記憶がある。
エンジョイゴルファーだからこそマッスルバックもOK
日本男子ツアーの永久シード選手である片山晋呉は「打感じゃ飯は食えない」と語っている。打感が少々悪かろうが、性能(結果)を優先させるという意味だ。道具への知識やこだわりが豊富な片山だからこその合理的なセリフだ。 とはいえ、我々アマチュアはゴルフで飯を食ってない。ショットで芯を食う確率がプロの半分に満たなくても、基本的には困らない。スコアはさておき、目いっぱい打感にこだわったっていい。特にドライビングレンジでの練習が大好きなゴルファーにとっては、ミスショットの感覚が手に残りにくいポケットキャビティや中空アイアンよりも、打点によって感覚の違いを味わえるクラブを選んでみるのはどうだろう。 そこで軟鉄鍛造アイアンだ。代表格のマッスルバックは最近、昔よりかなり打ちやすくなっている。ネック部分が短くなり、重心位置がコントロールされている。同じ金属を同じ重さで使用した場合、ヘッドを大きくしたり、ソール幅を広くしたり、あるいはキャビティモデルに近づけるのには限界がある。必然的にヘッドサイズは小ぶりになるが、今どきのマッスルバックは必ずしも手強いとは言えない。 例えば、打感へのこだわりが強いミズノの「ミズノプロ 120」(2019年)は確かに小ぶりだが、オフセットが付いており“意外と打てる”。6本セットでも5万円を切る価格で見つかるのも魅力だ。筆者はピン「ブループリント」(2019年)の使い勝手の良さに驚いた。後継モデルが発売され、6本セット7万円台で見つかるようになった。