上田桃子が予選落ちで〝ラストマッチ〟に セレモニーでは涙する選手も/国内女子ゴルフ
大王製紙エリエールレディス第2日(15日、愛媛・エリエールGC松山=6575ヤード、パー71)今季限りで第一線を退く元賞金女王の上田桃子(38)=ZOZO=は90位で出て4バーディー、3ボギーの70で回ったが、通算4オーバーの88位で予選落ち。次週の今季最終戦の出場権はつかめず、〝ラストマッチ〟となった。ツアー通算12勝の山下美夢有(23)=加賀電子=が65で回り、通算12アンダーで単独首位に立った。 プロ生活20年目で迎えた、日本ツアー通算450試合目。最前線で戦い続けてきた上田が、その歩みを止める。 「毎日強くなろうと思って、精いっぱい生きてきた。20年と聞くと長いですけど、もう20年かという感じです」 メルセデスランキング46位で臨んだ今大会で予選落ち。ランク上位者ら40人のみが出られる次週の最終戦出場を目指したが、権利はつかめなかった。初日に出遅れて覚悟はしており「最後の1日か。出し切るぞ」と気持ちを入れて臨んだ最後のラウンドは、17番(パー5)で2オンに成功してバーディーを奪うなど、攻めの姿勢を貫いた。 ツアー17勝、生涯獲得賞金約10億9476万円は歴代6位。その記録以上に、勝負に貪欲な姿勢はファンを魅了した。選手仲間にも慕われ、夕方に行われたセレモニーには約70人が残った。涙する選手も多くいた。 「気合とか根性とか、私はそれで戦ってきた」と振り返った38歳。「毎日、休んでいるときもゴルフのことを考えてきた。それがないんだなという寂しさはある」と、正直な思いを口にした。ストイックに高みを目指し続けた元賞金女王は、人生の次のステージに向かう。(鈴木和希) ♥会場で娘の姿を見届けた上田桃子の母・八重子さん 「まさか20年やるとは思っていなかった。頑張り屋で正直者で優しい娘。桃子の第2のステージを楽しみにしている」