電線用導体のアライ、新潟工場の伸線機全台更新。安定供給体制強化・省人化
電線導体用の銅線・アルミ線を製造販売するアライ(本社・埼玉県新座市、社長・新井佐千夫氏)は今後3年間で、新潟工場(新潟県魚沼市)の伸線装置を全台更新する。同工場には約15台の伸線装置を配備。安定供給体制を強化するための老朽化対応として実施。更新に伴い全伸線設備を同じメーカー製に統一することを通じ、一人の作業者が複数台の操作がしやすい環境をつくるなどして、省人化にもつなげる考えだ。投資金額は約3億円。 伸線設備は銅線などを細く加工するためのもの。新潟工場は細物の銅伸線・撚線を中心に製造。1992年の開設で、設備老朽化が課題となっていた。今回の伸線機全台更新はその対応の一環。 同じメーカーの設備を導入することにより、一台の操作に習熟すれば、他の伸線設備も操作可能になる。また設備操作の学習効率化により、作業者が多くの工程を担当しやすくなる。そのため今後労働人口減が見込まれる中、長期的な事業継続のために必要な人材有効活用による省人化を推進できる。 さらに銅線を巻き取るボビンの規格も同じになるため、段取り替えの作業効率も向上。加えて部品の共有化もしやすくなり、非常時のリスク低減にもつながるという。 設備導入の際は作業のしやすい高さにするなど、従業員の意見を取り入れた設計のものを選ぶ考えだ。さらに伸線設備の更新後には、撚り合わせに用いる設備の入れ替えについても視野に入れている。