【毎日書評】上司と部下の板挟み…?管理職のスタートライン「課長」だからできる立ち回りとは
係長から課長に出世できるかがキャリアの大きな分岐点
係長にも部下がいるとはいえ、直接の人事権はない場合がほとんど。また、係長には予算責任がない場合が多く、予算会議に出席することもまれ。係長クラスの場合、経営者とのコミュニケーションも稟議書を通して行うのが通常です。残業代や特別手当も、係長までは(法的にも)普通に支払われます。 いいかえれば組織における係長とは、課長のような“正式な管理職”ではなく、課長とは仕事内容に相当な開きがあるのです。したがってビジネスパーソンとしては、「係長から課長に出世できるかどうか」がキャリア形成におけるひとつの大きな山になってくるということです。 転職市場においても、課長クラスを経験しているかどうか、具体的には── ・予算を管理したことがあるか ・予算会議の資料作成と議論を経験しているか ・部下の人事査定をしたことがあるか ──は、ひとつの大切な見極めポイントでもあります。係長までであれば、同じ職場で経験を重ねるだけで、ほとんどの人が到達できます。少子高齢化が進む日本では、係長の肩書を持つ人のほうが末端社員よりも多いというのも珍しくありません。(35ページより) また課長は、現場のリーダーであると同時に最下層の管理職でもあるため、会社組織にとってはかなり特異な存在でもあります。そして課長になるためには、狭き門を突破する必要もあります。 課長の職務内容は係長クラス以下とは大きく異なるだけに、心理的には経営層に共感を覚えることも多いはず。にもかかわらず、日常業務は現場にあることがほとんどなので、まさに「板ばさみ」の立場。しかし、そこにはビジネスパーソンとしての大きなポテンシャルが隠されているということなのでしょう。(34ページより) 組織内で課長として成功できれば、その後のキャリアは大きく展開していくと著者は述べています。だからこそ本書を熟読しながら、自身を大きく成長させていきたいところです。 >>Kindle unlimited、2万冊以上が楽しめる読み放題を体験! 「毎日書評」をもっと読む>> 「毎日書評」をVoicyで聞く>> Source: ディスカヴァー・トゥエンティワン
印南敦史