副業で睡眠不足です。ショートスリーパーだったらもっと稼げるのにと思うのですが、どうしたらいいでしょうか?
本業に加えて副業も行っている場合、睡眠時間を削ればもっと働けるのにと思っている人もいることでしょう。ただし、ショートスリーパーはなろうと思ってなれるものではありません。 もともと通常通りの睡眠時間が必要な人が無理に睡眠を削ると、心身の健康に影響を及ぼす恐れがあります。本記事では、副業による長時間労働のリスクについて解説します。
副業では「長時間労働」に陥りやすい
厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」では、副業は労働者と企業、それぞれにメリットと留意点があると記しています。 労働者による主体的なキャリア形成や所得の増加などが労働者のメリットに挙げられる一方で、就業時間が長くなる可能性が第一の留意点として指摘されています。副業では、長時間労働に陥りやすいといえるでしょう。ガイドラインでは、労働者自身による就業時間や健康の管理も一定程度必要と記載されており、本人の自己管理能力も重視されています。
長時間労働の人ほど、不安や悩みが多く睡眠時間も短い傾向に
厚生労働省の「副業・兼業に関する労働者調査結果(続報)」における、「副業をしている方の強い不安、悩み、ストレスの状況(労働時間別)」を見てみましょう。同調査によると、1ヶ月あたりの本業・副業を含めた総実労働時間が長くなるほど、強い不安、悩み、ストレスがあると回答する人の割合が増加していく傾向にあります。 具体的には、総実労働時間が40時間未満の人では50.8%だったのに対し、360時間以上の人では68.2%と7割近くに増えます。また、360時間以上の人では、本業と副業ともに、「収入が低いこと」と回答した割合が最も高い結果となりました。収入の低さと長時間労働には、相関があると考えられます。 さらに、睡眠時間(労働時間別)では、睡眠時間が「5時間未満」と回答した割合は、副業している人では360時間以上の人が最も高く、29.7%でした。本来睡眠に充てるべき時間を使って副業をしている人が一定数以上いるといえます。