【眼科医に聞く】白内障手術はどこで受ける? レンズにも種類がある?
白内障手術、どこで受けても同じ? 病院選びのポイントは?
編集部: 手術はどこで受けても同じですか? 長谷川先生: まず、入院できる施設と日帰りのみの施設の両方があります。日帰りの場合には、付き添いが必須というわけではありませんが、眼帯をした状態でご自宅に帰らなければなりません。 痛みを強く感じる手術ではありませんが、閉所恐怖症などの方や何らかの病気で体動が強い場合には全身麻酔ができる施設もありますし、笑気などの吸入麻酔を扱っている施設もあります。 編集部: 費用は同じですか? 長谷川先生: 基本的に保険診療で施行することが多い手術ですが、選定療養という保険診療に眼内レンズの差額分を上乗せして行うことが可能です。選定療養には届出が必要ですので、それによりできる施設とできない施設があります。 まれにですが、自由診療のみおすすめする施設もあります。レンズの種類も単一ではありません。今は普通に見えるようになるだけでなく、裸眼視力などでより良く見えるを追求する時代になっています。 多焦点眼内レンズや乱視矯正眼内レンズなど付加価値レンズが存在しますが、扱っているかは施設によってまちまちです。 保険診療で扱う焦点深度拡張型のレンズも存在しますが、全ての施設で扱っているわけではありません。緑内障がある方は「MIGS」と言って、低侵襲緑内障手術を併用して眼圧下降を期待することも可能ですが、これも施設基準の届出が必要になる手技です。 編集部: 病院を選ぶ際、ポイントなどありましたら教えてください。 長谷川先生: ご自身の身体の中にインプラントを入れる手術ですので、手術に対する説明を充分に受け、ご自身が納得頂くことが大事だと思います。 例えば、術後のピントをどこに合わせるべきかについても、人それぞれの生活スタイルは違うのでご希望をお聞きしながら選択することが大切です。 多くの場合、医師だけでは十分な説明が難しいため、場合によっては視能訓練士のいる施設だと、ピントの相談を詳しくできるかもしれません。 編集部: 注意すべき点はありますか? 長谷川先生: 術後の管理も重要ですので、それをしっかりとしてくれる施設や通院しやすい施設が良いでしょう。手術なので、時として合併症も生じえます。 注意していただきたいのが、自由診療で起きた合併症の治療は自由診療となる可能性もあるので、術後のトラブル防止のために術前に確認しておくことも重要です。 編集部: 最後に、Medical DOC読者へのメッセージがあればお願いします。 長谷川先生: 患者さんからは「白内障手術は簡単なのでは?」と言われることもありますが、決して簡単には考えない方が良いと思っています。正しい知識を持って、医師や医療スタッフとのお話にしっかり耳を傾けて頂き、ご納得頂いて手術を受けることが大切です。