妻が「一家の大黒柱」になって気づいた、「男のズルい行動」の本質
10年ほど前まで、「産後の女がやるべきは育児」が当たり前だった
そう思っていたのは、2012年当時、「産後は女が仕事をやめて家事育児に専念して、男は変わらず働くものである」ということを前提にして日本社会の出産・育児 分野が作られていたからです。 「結婚時に収入が高い者と低い者は、その収入差が生涯入れ替わることはない」「世帯主及び大黒柱は主に夫」という前提もここに繫つながります。 これらを前提にしている弊害として分かりやすいのは、保育園が足りなすぎ問題。2024年の今も待機児童問題は完全に解消されてはいないけど、当時は待機児童自体が問題化されていなかったし世の中に認知されていませんでした。 「保育園に入れないから仕事をやめた」という女性が保育園に子どもを通わせている女性よりも多いんじゃないのってくらい、身近にたくさんいました。保育園に入園できる家庭を決める役所の職員も「今年は入れないから来年を狙ったら?」と面と向かって言ってくるのが当たり前でした。 産後の女がやるべきことは育児であり、女が仕事を丸々1年休んだり退職するのは大したことではない、という考えを隠さず、社会全体がそれを土台にして成り立っているんだ。それを当事者になってやっと知って、尻から背骨が一気に冷えました。 女に対して、本当に失礼だと思う。産後、女性である私は毎日、憤慨を通り越してほぼ噴火していました。
SNSが普及した2017年以降、世の中が変わってきた
それまでは、育児に関することだけは明治時代からの名残をキッチリ残してる社会に個人が意見するのは不可能でした。だけどちょうどSNSが盛んになってきて、個人の怒りや苦しみを世界に発信できて、共感する人が多ければ団結して声を大きくすることができ、国会にまで届いたり、個人が社会を変えるのが可能な時代が到来しました。 「1人で抱っこ紐で赤ちゃんを連れて出かけている男性」は私が1人目を産んだ時はほとんど見たことがなかった。でも5年後に2人目を産んだ時は、世の中が大きく変わり、1人で赤ちゃんを連れて歩いているパパを街中でたくさん見かけるようになりました。