元WBA世界Sフェザー級王者「KOダイナマイト」内山高志が現役引退へ
また内山は、「KOダイナマイト」と呼ばれたが、「ダイナマイトボーイ」という異名をつけられた後輩の京口絋人が、IBF世界ミニマム級王者になるなど、ジムに後継者が生まれたことも、内山に世代交代を決意させる気持ちを後押ししてしまったのかもしれない。 内山は間違いなくボクシング史に残る名ボクサーだった。 埼玉の花咲徳栄高校からボクシングを始め、拓大に進んだ当初は、補欠だったが、練習と努力で全日本で優勝するまでになり、卒業後は五輪出場を目指した。予選で敗れ、一度は引退を決意するが、ワタナベジムの熱心な誘いを受けプロ転向、2005年7月にプロデビューした。東洋太平洋王座を経て、2010年1月に無敗のまま、プロ14戦目でWBA世界Sフェザー級王者フアン・カルロス・サルガド(メキシコ)に初挑戦。12回にTKOでタイトルを獲得した。以降、度重なる右拳のケガに悩まされながら、日本で歴代3位となる11度の防衛に成功。11試合中9試合がKO、TKOの決着で、2012年にはWBAからKO賞を贈られ、2015年にはスーパー王者に認定されたが、希望していた海外のビッグマッチが最後まで実現できないという悲運もあった。 内山のプロ戦績は、27戦24勝(20KO)2敗1分け。