大関陥落の霧島、3月に痛めた首に悩み続け…音羽山親方が厳しく指摘「見つめ直さないと」
◆大相撲 ▽夏場所7日目(18日、東京・両国国技館) 大関・霧島が日本相撲協会に「頸椎(けいつい)症性神経根症で約2週間の加療を要する」との診断書を提出して休場した。師匠の音羽山親方(元横綱・鶴竜)によると再出場はしない。2場所連続負け越しとなり、6場所在位した大関から陥落する。関脇・若元春も右足親指の負傷で休場し、三役以上9人のうち5人が不在の異常事態となった。三役以上が5人休場するのは2018年九州場所以来。全勝が消え、新小結・大の里に平幕の大栄翔、宇良ら5人が並ぶ展開となった。 看板力士がまたも土俵から消えた。若元春、霧島と2番連続で休場がアナウンスされると、館内がどよめいた。三役以上で9人のうち5人が不在となる異常事態。午後5時頃から始まった幕内後半戦の取組は、わずか7番。三役以上が5人休場するのは2018年九州場所以来。連日満員御礼の夏場所に水を差した。 2場所前は横綱昇進に挑んでいた霧島が、わずか6場所で大関から陥落する。復帰できなければ、昭和以降では5位タイの大関短期在位の不名誉な記録となる。頸椎を痛め、師匠の音羽山親方は「再出場はしない」と断言。18日から入院し、「首の痛みがいろいろなところに影響している。肘にしびれが出て、手に力が入らない」と説明。名古屋場所で10勝すれば、1場所で大関に復帰できるが「10番勝てる保証はない。今日から4日間ぐらい入院する」と明かした。 霧島は昨年九州場所で2度目の優勝を果たしたが、3月の春場所前に痛めた首に悩まされた。幕内屈指の稽古量で調子を上げる力士だが準備不足のまま挑んだ春場所で5勝10敗。4月には陸奥親方(元大関・霧島)の定年に伴う陸奥部屋閉鎖で音羽山部屋に転籍。新しい環境への適応も求められた。カド番の夏場所前も痛みが残り、稽古は足りなかった。場所に入っても頭から思い切り当たれず、この日の不戦敗を含め1勝6敗。同親方は「日頃の態度、相撲への接し方、勝負に対する気持ち。いろいろなものを見つめ直さないといけない」と厳しく指摘した。 若元春は6日目に右足親指じん帯を損傷し休場。再出場は状況を見て判断するという。初日から小結・朝乃山が休場し、2日目には横綱・照ノ富士と大関・貴景勝の同時休場に続く衝撃。八角理事長(元横綱・北勝海)は「霧島は来場所にこだわらず治した方がいい。けがに強い体を作らないといけない」と嘆いた。(山田 豊) ◆三役以上5人が休場した18年九州場所 横綱・白鵬と同・鶴竜が全休。横綱・稀勢の里が5日目から、大関・豪栄道が12日目から休場した。小結・魁聖は3日目から出場し、14日目から再休場した。
報知新聞社