体の不調サイン? 出し切るべき? 意外と知らない「ため息」の素朴な疑問
「みんなの前ではなく一対一の状況をつくり、悩みを聞いてあげましょう。オススメは、ちょっとおいしいランチに行くこと。 普段よりおいしいものを食べることで気分が上がり、ふたりきりということで安心して本音を話してくれます。その上で『オレはそんなに深く考えなかったのに、すごいな』などと下からホメつつ、問題解決のアドバイスを与えます。そして、実際にクリアできた際には『さすがだな』ともう一回、下から持ち上げてください。『共感と下からの持ち上げ』が部下のため息には効果的です」 ――自分でため息が出るのを抑えたい。森田先生、何か方法があれば教えてください。 「社内ですぐにできることでいうと、ため息が出そうなときは簡単なストレッチをしてみる。椅子から立ち上がってうろうろするだけでもいい。とにかく体を動かし、筋肉の緊張をほぐすことです」 ――他人のため息をなるべく気にしないようにする方法はありますか? 「相手がため息をしているのは気持ちの切り替えをしているからだと前向きにとらえ、それに対応してこちらも席を立ってコーヒーを飲むなど、心を落ち着ける行動を取るのがいいと思います。 ちょっとした考えの変化や気持ちを切り替える行動によってストレスを軽減する認知療法的アプローチは有効だと思います」 悪者だと思われがちだけど、体のバランスを整えるために重要なため息。これからもうまく付き合っていこう。 取材/渡辺ありさ 写真/PIXTA