「マウスピース型矯正」で起こりやすいトラブルはご存じですか? 対処法や口腔ケアの重要性も歯科医が解説!
マウスピース型矯正の口腔ケアと日常生活における注意点
編集部: マウスピース型矯正をしているときの歯ブラシの選び方・磨き方のポイントを教えてください。 楊先生: マウスピース型矯正中の歯磨きは、基本的に矯正開始前と同じ歯ブラシを使っていただいて問題ありません。ただし、歯の表面にアタッチメントという補助装置がついている場合は少し注意が必要です。アタッチメントは自分では外せないうえに汚れがたまりやすいため、歯ブラシの毛先を使って丁寧に磨きましょう。 編集部: 歯磨きのほかに、取り入れたい口腔ケアはありますか? 楊先生: 歯ブラシでの清掃に加えて、デンタルフロスや歯間ブラシを使って、歯と歯の間の清掃をおこなうことも大切です。マウスピースで覆われる部分なので、念入りにケアしましょう。また、フッ素(フッ化物)配合の歯磨き剤や殺菌成分配合の洗口液を使うのも効果的です。これらのケアを日常的に取り入れることで、より健康的な口内環境を保つことができます。 編集部: マウスピース自体の洗浄や消毒はどのようにおこなうべきですか? また、その頻度はどのくらいが適切ですか? 楊先生: マウスピースのお手入れは、毎日欠かさずおこないましょう。おおよその汚れは軽くこするだけでほとんど取れるので、指や柔らかい歯ブラシを使って水で洗うだけで問題ありません。ただし、歯磨き粉は使わないようにしてください。研磨剤でマウスピースを傷つける可能性があります。また、週に1~2回は専用の洗浄剤を使うと、目に見えない汚れや匂いも取れて、より清潔に保てるでしょう。 編集部: マウスピース型矯正中の飲食で注意したいことは何ですか? 楊先生: 基本的に、マウスピースをつけたまま口にできるのは「お水」だけです。それ以外の飲食時はマウスピースを外し、食べ終わったら歯を磨き、マウスピースを洗浄してから再装着しましょう。マウスピースを装着したままの飲食は、むし歯のリスクだけでなく、マウスピースの着色や変形のリスクもあります。とくに、熱い飲み物や着色しやすい食べ物には注意が必要です。