発売から2週間足らずでサービス休止になっていた『CONCORD』の開発スタジオが閉鎖に サービス休止からの復活ならず
発売から2週間足らずでサービス休止になっていた『CONCORD』の開発スタジオが閉鎖に サービス休止からの復活ならず
『CONCORD』の開発スタジオFirewalk Studiosが閉鎖になった。SIEの公式ブログにて、CEOのひとりであるハーマン・ハルストが報告している。スタジオの閉鎖について、ハルストは「私たちはこの数カ月、多くの時間を費やしてあらゆる選択肢を検討してきましたが、熟考の末、ゲームと共にスタジオを閉鎖することが最善の道であると判断しました」とコメントしている。 「CONCORD」画像・動画ギャラリー また、SIE傘下のモバイルゲームスタジオであるNeon Koiの閉鎖もあわせて発表されている。ジャーナリストのジェイソン・シュライアーが受け取ったインサイダー情報によると、2つのスタジオの閉鎖によって合計210人が職を失ったという。Firewalk Studiosのスタッフは172人、Neon Koiのスタッフは38人だったそうだ。 『CONCORD』は2023年にSIEが買収したFirewalk Studiosによって開発されたゲームだ。ゲーム内容はいわゆるヒーローシューターで、デスマッチ系のルールや陣取りルールが遊べた。「オーバーウォッチ」のようにガチガチのオブジェクトルールやアルティメットスキルはなく、カジュアルなプレイフィールが特徴のゲームであった。Firewalk StudiosはBungieの元CEOが設立したスタジオの一部であったことから、本作のプレイフィールは「Halo」や「Destiny」のPvPに例えられることもあった。 『CONCORD』は2024年8月24日に発売されたがプレイヤー数は伸び悩み、9月7日にサービスが休止されてしまった。発売からわずか2週間足らずでの販売休止になってしまい、既存プレイヤー向けには返金対応がおこなわれていた。サービス休止時の発表では「プレイヤーの皆さんにより良いものをお届けできるよう、さまざまな選択肢を模索することにしました」と書かれており、今後の希望を持たせるような言い方になっていた。ゲームが買い切り型だったので、基本プレイ無料になって復活する可能性があるのではないかと思われていた。しかしながら、今回スタジオの閉鎖が発表された格好となる。もうゲームが復活することはないのだろう。 なお、サービス休止後にはゲームのディレクターが辞任したとの報道があった。そのときの報道によると、開発スタジオのスタッフは今後の展開を懸念しつつ待っている状態だったという。 Firewalk StudiosはBungieの前CEOであるハロルド・ライアンが設立したProbablyMonstersの一部として2018年に立ち上がった。スタジオの公式Xのポストによると、最初の数年間は非常に小さいスタジオで2022年に完全なプロダクションに入ったという。なお、スタジオがSIEとのパートナーシップを結んだのは2021年で、SIEによる買収は2023年だった。スタジオは最終的に素晴らしいFPS体験を提供できたとしつつも、期待していたよりも狭い範囲でゲームが着地してしまったことについて言及している。いくつかのリスクを取っていたそうで、開発中にカードバトルや格闘ゲームの側面をFPSと融合させようとしていたこともあったそうだ。 SIEのハーマン・ハルストはゲームについて「優れた側面もあったものの、幅広いプレイヤーに受け入れられなかった部分もあり、ゲームをオフラインにしました」と振り返っている。筆者もゲームをたのしんでいたが、ゲームはプレイヤーから一定の評価を得ていたものの、買い切り型であったためプレイヤー数が伸び悩んだと感じる。プレイすれば好きになってくるが、クセの強いキャラクターデザインも批判されることが多かった印象だ。 余談にはなるが、本作はゲームの世界を舞台にしたアニメ『シークレット・レベル』へ登場するとされている。サービス休止の発表後に『CONCORD』のエピソードが残るという情報をIGNでは情報筋から得ている。スタジオ閉鎖を受けての続報はないが、アニメで『CONCORD』のキャラクターに出会えるかもしれない。
重田雄一