フィカスの新葉がしわしわに。ティランジアが大きくならない。観葉植物栽培Q&A
観葉植物の栽培を始めると、いろいろな疑問がわいてきます。トラブルに直面し、このまま枯れるのではと不安になることも。『趣味の園芸』2024年2月号の季節連載「杉山拓巳の観葉植物教室」最終回では、みなさんの栽培の疑問、不安にお答えしています。ここではその中から、2つのQ&Aをご紹介! みんなのフィカスの写真
フィカスの新葉がしわしわに
フィカス・ウンベラータが冬に全部葉を落としましたが、春になってどんどん新芽が出てきました。しかし、しわが寄った葉が何枚かあります。何か対策はありますか? 【葉を落として、芽を減らそう】 植物が順調に生育している状態では、枝の先端の芽の成長が優先されます(頂芽優勢という)。しかし、葉がすべて落ちると生育のバランスが乱れ、枝の途中の芽も一斉に動き始めることがあります。 しかし、同時に多くの芽が動きだすと競合が起き、勢いの弱い芽から生じた葉にしわができることがあります。動いている芽が多すぎるので、葉を取り去ったり、新芽を間引いたりするとよいでしょう。
ティランジアが大きくならない
ティランジア・キセログラフィカを育て始めて1年近く。大きく育てたいのに、新葉が小さくなってきました。根も生えてきません。生育期には戸外で育て、葉の間に水をため、毎日たっぷりと葉水を与えています。 【肥料不足が原因】 キセログラフィカは園芸店では葉が丸まった状態で売られています。葉が広がっていれば、水は十分に与えられています。しかし、新しい葉が細くなっているのは光と肥料が不足している証拠です。 水やり代わりに液体肥料を施した翌日に、たっぷりと水を与え、葉水を行うと、せっかくの肥料分が植物に吸収される前に流れ落ちてしまいます。液体肥料を施したら、2日間は水やりも葉水もやめます。光によく当て、風通しのよい環境に置き、適度に肥料分があると、根は伸び、株も大きくなります。
杉山拓巳(すぎやま・たくみ) 熱帯植物栽培家 愛知県で熱帯植物の生産を行う。ビカクシダをはじめ、ティランジアやアンスリウム、ホヤなどに造詣が深く、育種も手がける。SNSで栽培に関する情報を発信中。著書に『NHK趣味の園芸 12か月栽培ナビNEO 観葉植物 ビカクシダ』ほか。 ●『趣味の園芸』2024年2月号 杉山拓巳の観葉植物教室 第四回(最終回)「疑問、不安にお答えします」より