「闇バイト」から身を守る 鋸南中で生徒らが警察招き安全集会開催(千葉県)
鋸南町の鋸南中学校で16日、いわゆる「闇バイト」について啓発する生活安全集会が開かれた。全校生徒113人を対象に、県警内房地区少年センターと館山署員が講演。生徒らに、闇バイトという犯罪が身近にあることを説明し、加担しないように呼び掛けた。 同校では生徒会の「生活安全委員会」が、自転車の正しい乗り方や整った身だしなみなどといった、身の周りに関わる安全について呼び掛けている。闇バイトから犯罪に手を染める若者が後を絶たないとニュースで流れるようになると、学校内でも話題に。このことをきっかけに、生活安全委員会の生徒たちは「闇バイトから身を守ることを呼び掛けるのも、委員会の役割」と捉え、正しい知識を専門家から学ぼうと今回の集会を企画した。 少年センターの職員は、高収入などをうたって犯罪の実行役を募集しているのが闇バイトであり、「闇バイトは犯罪です」と強調。募集の手口や加担した者の後悔の言葉、末路などを、県内で起きた事例を交えて説明した。「たたき(強盗)」「掛け子(電話をかけてだます役)」「運び(だまし取った金の運搬)」といった隠語を使い、SNS上でアルバイトとして実行犯を募集している場合があることや、一般的な求人サイトにも紛れ込んでいるケースもあるなど、身近に加担するきっかけが潜んでいることなど具体的に示した。 「闇バイトという犯罪に一度でも加担すると、逮捕されるまでさまざまな脅しを受けて犯罪を繰り返す。使い捨てにされ、お金ももらえず、何一ついいことはない」と生徒に言い切り、「これからバイトをする機会に、分からないことがあったら、保護者や『♯110』に必ず相談して」と呼び掛けた。 生活安全委員長の黒川桃花さん(2年)は、「悪いことと思ってなくて始めたことが加担につながる可能性もあると知って怖いと思った。SNSを使っているし、知らない人からメッセージが来ることもある。身近に闇バイトがあると思って、関わらないように使っていきたい」と話していた。