キャッチフレーズでもある〝高コスパ〟のランチが人気 単価1万円台の高級隠れ家レストラン「食堂一石三鳥」
【バズる関西トレンド】 この夏、JR大阪駅前に誕生した駅ビル「イノゲート大阪」の低層階には、梅田のオフィスワーカーが昼も夜も立ち寄れる飲食ゾーン「バルチカ03」がある。「03」とは「おっさん」という意味で、まさに近隣で働く中年男性たちの間でオープン以来、人気を集めている。 なかでも、居酒屋が集積した5階はおっさんたちの憩いの場。その一つ、奥まった場所で隠れ家的存在なのが「食堂 一石三鳥」だ。関西イチ値段の高い大人の食堂をキャッチフレーズに、1万円台のコース料理を提供。照明の明るさを落とした店内ではシェフを囲むように9席のカウンターが配置され、料理の技を見ながら五感で食のライブパフォーマンスを体験できる。 「おいしいのは当たり前で、食事を楽しんでもらうことを大事にしている。他店ではできない食事体験を提供していきたい」と、同店を運営するヒューマンクリエイトの李聖大副社長は話す。 一石三鳥グループは2020年10月に創業。東京・新橋の焼き鳥店を皮切りに、東京、大阪、静岡に寿司、割烹料理、焼き肉など13店舗を展開する。大阪では、福島の路地裏に立地する「和牛料理 一石三鳥」と「鮨 豊」が予約困難な店として人気を博し、同店は大阪3店舗目。看板を掲げず、これまであえて立地の悪い場所で勝負してきたが、今回初めて駅直結の商業施設に出店した。 一石三鳥グループが手がける飲食店は、いずれも〝手の届く高級感〟をコンセプトとしている。旬の厳選した食材をぜいたくに使っているため、他店で3万円以上する高級寿司コースも同店では1万円台とリーズナブル。自社で仲卸業も手がけているからで「全国の漁港とつながりがあるバイヤーがその時々にいいネタを直接安く仕入れている」(李副社長)。 同社の米田拓史社長は、ブライダル業界でらつ腕を発揮した人物で、ブライダルのおもてなし精神を飲食業界に取り入れて成功。クラウドファンディングサイト「マクアケ」では総額約3億円の応援購入を獲得し、飲食部門では歴代日本記録を持つという。 駅前立地で新規客の獲得を狙う同店では、グループでは初めてランチメニューもスタート。「高コスパのランチで一石三鳥を知ってもらうきっかけになれば」と、期待を寄せる。