どうなる「2万円到達後」の日本株 秋以降、消費拡大 いざなぎ景気越え期待
東京株式市場は来週から名実ともに7月相場に突入。いよいよ夏相場本番となる。4月半ばから盛り返しに転じた株式マーケットは6月2日、日経平均が1年半ぶりに2万円台を回復。6月20日には取引時間中に2万318円まで上昇し、2015年8月にマークした終値ベースでの2万868円が視界に入ってきた。今回の動きで注目したいのは「業績相場」の色彩が濃くなっている、という点だ。今、相場をめぐる環境では、どのような変化が起きているのだろうか。(解説:証券ジャーナリスト・神田治明) ◇ ◇ 日経平均「2万円相場」を見るうえで、最も重要なポイントは企業収益の向上である。 それを端的に表しているのが日経平均株価指数に採用されている上場企業225社の予想一株利益だ。 会社側が打ち出している年間予想純利益の合計額をカウントし、それを株式の時価総額で割って得られる加重平均ベースの予想PER(株価収益率)は今年4月26日、つまり上場企業の2017年3月期決算が発表ラッシュに入るスタート時点では16.1倍。当日の日日経平均で計算した予想一株利益は1191円強だった。
株価に利益が追いつく
ところが、決算発表が進むにつれ、同時に公表される今2018年3月期の収益予想が想定を上回るケースが増え、ゴールデンウィークの谷間となる5月2日には1267円にアップ。このあたりから、株価がうねりを増すようになった。 5月8日には予想一株利益は1272円となり、上場企業の決算発表がほぼ完了した5月16日には1330円を記録した。同日、日経平均は一時1万9998円と、2万円に肉薄。しかし、株価上昇にもかかわらず、予想利益が伸びたことから、予想PERはこの時点で14.3倍と低水準をキープした。 その後、日経平均は6月2日に2万円台を奪回したものの、「利益が追いつく格好で漸増傾向をたどった」(大手証券)。直近6月26日現在の予想一株利益は1412円と、さらに向上し、予想PERも14.2倍台と過去5年間のレンジで見ると割安ゾーンにある。