どうなる「2万円到達後」の日本株 秋以降、消費拡大 いざなぎ景気越え期待
「いざなぎ景気」越えも視界に
大和証券では今年度の上場企業の会社側予想について「総じて保守的」と分析。今期は電機セクターを筆頭に、通信、鉄鋼などの収益は会社側計画を上回る可能性が高い、と見ている。電機セクターではソニー(6758)の大幅増益が見込まれるほか、電子部品も車載・産業機械向けの需要増を背景に堅調な業績が見込まれる。また設備投資の拡大から、機械セクターの業績上ブレも有望だ。 こうした動きを映してマクロ景気も明るい兆しが広がり、内閣府の組織「景気動向指数研究会」は6月15日、2012年12月からスタートした景気拡大局面が現在まで続いている可能性が高いとの見方を打ち出した。これでいくと景気拡張機関は今年6月まで4年7カ月(55カ月)となり、1986~91年当時のバブル景気で記録した51カ月を上回り、戦後3番目の長さとなる。また、仮に、今年9月まで、この拡大基調が続くようだと58カ月に達し、戦後2番目の「いざなぎ景気」(65年~70年)の57カ月を越える。
今秋以降、消費も動き出す
もっとも、その割には「景気拡大の実感があまりない」という声が多い。これは国内総生産(GDP)成長率が過去の景気拡大局面に比べて低いほか、今なお、デフレムードが国民の間に残っているため。消費動向は相変わらずパッとしない状況が続いている。 しかし、4月の完全失業率が2.8%で、女性に限る2.6%と23年ぶりの低水準。有効求人倍率も1.48倍と1974年(昭和49年)以来の講高水準を記録するなど、明るい雇用情勢が続いている。このため、今秋以降、国内消費も次第に盛り上がっていく、との見方が株式市場関係者の間から浮上している。 消費は「ジャンボ機の後輪」ともいう。つまり、大型飛行機(日本経済)が離陸するとき、まず景気のエンジン役となる設備投資が動き出して浮かび上がり、最後に「遅行指標」となる消費が始動する。景気の6~9カ月間を先取りして動く株価は、どうやら日本経済の本格浮上を読み始めた形跡がある。