災害時 安全避難考える 水戸で東北応援フォーラム 大川小遺族と座談会 茨城
東北被災地応援ツアー発起人会(飯塚裕治代表)は7日、茨城県水戸市三の丸の水戸京成ホテルで「東北被災地応援フォーラム2024~つなぐ~」を開いた。東日本大震災の津波で犠牲になった宮城県石巻市立大川小児童の遺族が起こした訴訟の原告団代表、紫桃(しとう)隆洋さんをゲストスピーカーに招いた座談会を行い、紫桃さんは「災害が発生した際、何も考えなくても安全な場所まで避難できる仕組みが重要」と訴えた。 フォーラムには学校関係者など約50人が参加。ドキュメンタリー映画「『いきる』大川小学校津波裁判を闘った人たち」を上映した後、座談会に紫桃さんが登壇し、参加者からの質問に答えた。 紫桃さんは「(学校の)管理職の多くが『想定外』という言葉を使うが、(その言葉に)基準はない。防災意識の高い校長に当たれば救われ、低ければ救われないというのは、『教育』なのか」と参加者に問いかけた。その上で、日常的に安全を確保できる仕組みづくりの大切さを指摘した。 さらに「組織の中にいると、指示を待つだけになってしまう。自分で判断できるような人をつくっていかなくてはならない」と防災に対する意識の大切さを強調した。 参加者からは「最近、地震への意識が低くなっている。切迫した避難訓練を行い、災害に意識を高める必要がある」との意見が出された。 同会は特別支援学校を退職した管理職や現役の管理職、教員などで構成。東日本大震災発生翌年の12年から被災地訪問を続けている。
茨城新聞社