チャールズ国王の治世になって変わったこと、変わらなかったこと
王妃がもたらした変化
カミラ王妃も国王の治世に変化をもたらしている。もともと女王が亡くなり国王が即位した直後は「Queen Consort(王の配偶者)」という肩書きを使っていたが戴冠式の招待状から「Queen」に変更。これはエリザベス女王の時代、フィリップ王配がずっと「Prince Consort(王配)」を名乗り続けていたのと大きく異なる。とはいえ、戴冠式から1年経った今もカミラ王妃が「Queen」を名乗ることに疑問や反対の声もある。作家でかつてはダイアナ元妃の私設秘書を務めていたパトリック・ジェフソンは「BBC」に対して、フィリップ王配と同じように「Princess Consort」を生涯貫いた方がよかっただろうと語っている。
DV問題への取り組み
王妃がDV問題に取り組んでいる点も女王の治世とは異なる点。女王は10年前からウィメン・オブ・ワールド(WOW)フェスティバルというイベントを支援、DV被害に苦しむ、もしくはそれを乗り越えてきた女性や少女たちを支えてきたがあくまでもそれは皇太子妃として。王妃として取り組めば、この活動が王室内で占めるウェイトは大きくなると見られている。DV問題は国内の政策に関わる可能性もあるため、エリザベス女王はほぼノータッチだった。ちなみに今年の国際女性デーに開催されたWOWのイベントにはベルギーのマチルダ王妃(左)も参加した。これからは王妃レベルで他国のロイヤルと協力体制を築いていく可能性も高い。
「お付きの女官」制度を廃止
さらに王妃がもたらしたもう1つの変化は中世から続いていた「お付きの女官」制度を廃止したこと。ちなみに人種差別発言ので問題になったレディ・ハッセーもこの女官だった。王妃は女官の代わりに「王妃のコンパニオン」として親しい6人の女性を採用した。名前を変えただけで中身が同じということはよくある話だが、王妃の場合は中身も改革。女官たちはアシスタントであると同時にアドバイザーおよび秘書としての役割も担っていたが、コンパニオンの仕事はぐっと簡略化。公的な行事のときに王妃の手伝いをするだけで、常勤ではなく臨時職。また名誉職なので報酬も支払われない。 (写真はコンパニオンに抜擢したサラ・トラウトン中尉と話すカミラ王妃)