「その話はしないで」ロバーツ監督が20年前の〝大逆転劇〟に関する質問をけん制
「0勝3敗からの逆転劇。デーブ・ロバーツは歴史を繰り返したくない」 MLB公式サイトは29日(日本時間30日)、20年前のプレーオフで球史に残る盗塁を決めたドジャースのロバーツ監督の伝説と王手をかけた心境に迫った。 【動画】笑顔が狂気! ベッツからボール強奪の瞬間 28日(同29日)のヤンキースとのワールドシリーズ(WS)第3戦に4―2で3連勝を飾り、4年ぶりの世界一に王手をかけた。試合後の会見で、ロバーツ監督はある記者から、宿敵ヤンキースに対し0勝3敗の崖っぷちで迎えた2004年のア・リーグ優勝決定シリーズ第4戦に関する質問を受け、「その話はしないでくれ。人違いだ」などと話した。 3―4の9回、先頭ミラーがヤンキースの守護神リベラから四球を選んで出塁。代走に起用されたロバーツはベンチでフランコナ監督から「先頭打者が出たら行くぞ。グリーンライトだ」と告げられていた。バッテリーはロバーツの足を警戒し、3度けん制。しかし、ミュラーの初球、低い姿勢からスタートを切り、二塁へヘッドスライディングしてタッチをかいくぐり、間一髪でセーフ。ミュラーの中前適時打で同点のホームを踏むと一気に流れが変わった。 延長12回、主砲オルティスが右翼へサヨナラ本塁打を放って6―4で勝つとそこから4連勝。WSでカージナルスを4勝0敗で下し、86年ぶりのWS制覇を成し遂げたのだ。米4大スポーツのプレーオフで3連敗から4連勝は史上初だった。WSでは3連敗からの4連勝は1度もない。 ロバーツは引退後、「実際、ベンチから盗塁のサインは出なかった。自分で決断した」と明かしている。レッドソックスでプレーしたのは3か月だが、伝説の盗塁は「ザ・スチール」として語り継がれている。 ロバーツ監督が「人違いだ」と語ったのはもちろん、3連勝しているから。「私はただ、選手たちを浮き足立たせたくない。彼らは20年前のことをよく知っているだろうし、まあ、どんなことも起こり得るということだ。うちの選手たちはとても頭がいいし、優勝やパレードに飢えている。だから(我々を)邪魔するものなんてない。何もない」と強調。気持ちを引き締めていた。
東スポWEB