米国債は下落、ボラティリティーは1年ぶり高水準-米大統領選投票日
「ハリス氏勝利は政策面では現状維持を意味するが、市場にとっては必ずしもそうとは限らない」と、JPモルガン・チェースのグローバルFX戦略共同責任者のミーラ・チャンダン氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで述べた。「ハリス氏が大統領になれば、市場にとって関税に関する大きなテールリスクが取り除かれることになる」と指摘した。
チャンダン氏は、投票結果に応じて幅広い為替予測を行っている。ハリス氏が勝利した場合、ユーロは1.15ドルまで上昇する可能性がある一方、共和党が大統領選と議会選で全勝した場合、ユーロはドルとパリティー(等価)まで下落する可能性があるとみている。
オプション市場もユーロの乱高下に備えている。ユーロの翌日物インプライドボラティリティー(予想変動率)は5日に急上昇し、1日として2008年以の上昇となる勢いだ。
選挙結果がいつ確定するかによっても大きく左右される。接戦や再集計が必要な状況になれば、そのプロセスが長引き、市場の不透明な期間が長引く可能性がある。ブラックロック・インベストメント・インスティチュートは最近、勝利が争われるリスクは十分に織り込まれていないと指摘した。
「非常に接戦の米大統領選を目前に控え、結果は為替市場に二極化の影響をもたらす可能性が高い」と、INGの為替戦略責任者、クリス・ターナー氏は述べ、「恐らく(トランプ氏が勝利し共和党が上下両院の主導権も握る)レッドスウィープの場合のみ、ドル高につながるだろう」と予想した。
原題:Treasuries Slip on Election Day as Volatility Hits One-Year High(抜粋)
--取材協力:Vassilis Karamanis.
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Alice Atkins