米国債は下落、ボラティリティーは1年ぶり高水準-米大統領選投票日
(ブルームバーグ): 米大統領選投票日の5日の債券市場で米国債が下落し、債券のボラティリティーを示す指標は1年ぶりの高水準に達した。選挙の行方が依然として予断を許さない中、トレーダーは固唾をのんで見守っている。
10年物米国債利回りは一時4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇して4.32%と、3カ月ぶり高値に近づいた。ストラテジストや投資家は、投票結果を受けて市場が大幅に変動する可能性があると警告している。ボラティリティーの指標であるICE・BofA・MOVE指数は4日に2023年10月以来の高水準を付けた。
ブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.2%下落した。為替のボラティリティーも上昇し、ドルに対するユーロのヘッジコストは4年以上で最高となった。
米大統領選は拮抗(きっこう)しており、世論調査ではドナルド・トランプ氏とカマラ・ハリス氏の間で米国民の支持がほぼ均等に分かれていることが示されている。どちらが勝利を収めるにせよ、市場のボラティリティーが高まることは確実であり、特に選出された大統領の政党が連邦議会両院も掌握することになれば、その傾向は強まるだろう。
ジェフリーズの欧州チーフストラテジスト、モヒト・クマール氏は「市場は様子見モードにある。多くの投資家が傍観の姿勢をとり、イベントリスクが去るのを待っている」と述べた。
数週間前から、賭け市場ではトランプ氏の勝利が予想され、トレーダーたちは同氏の低税率と高関税政策が成長とインフレを促進すると見込んでポジションを構築していた。いわゆる「トランプトレード」により、ドルは約4カ月ぶりの高値をつけ、先週には10年物米国債利回りが4.38%に達した。
しかし、週末の世論調査でトランプ氏の勝利の可能性に疑問が投げかけられたため、市場はそれらの賭けを縮小した。デモイン・レジスター紙とメディアコム・アイオワ・ポールが共同でまとめた世論調査では、トランプ氏が過去2回、大差で勝利した同州で、ハリス氏が3ポイントのリードを奪った。