『ザ☆ウルトラマン』ふたりのムツミ隊員は声優人生の原点? 島本須美インタビュー
『ザ☆ウルトラマン』は、今年で放送開始45周年を迎えた。イベント「ザ☆ウルトラマン&ウルトラマン80 45thスペシャルナイト」開催を皮切りに、「円谷映画祭2024」での『長篇アニメ映画 ザ☆ウルトラマン ウルトラの星へ!! 』の上映、ブルーレイBOXの発売と、さまざまな展開が予定されている。 【関連画像】島本須美さん撮りおろし写真や場面カットを見る(写真6点) 今回は『ザ☆ウルトラマン』にムツミ隊員役で出演し、『長篇アニメ映画 ザ☆ウルトラマン ウルトラの星へ!! 』でナレーションを新録した島本須美さんのインタビューをお届け。当時のアフレコの思い出などをお話しいただいた。 ◆声優一年生で出会った最初のレギュラー◆ ――撮影のときにお持ちいただいたムツミ隊員の人形、素敵ですね。 島本 ブルーレイ BOXの映像特典に、私や柴田秀勝さん(ゴンドウ大助役)のトーク映像(CS番組『ウルトラ情報局』)が入っているんですが、その収録の際にいただきました。実はこの子、関智一くんの番組に出していただいたときに連れて行ったんです。関くんはこういうもののマニアみたいで、「欲しいんでしょ?」みたいな話をしていたら、そのあと会ったときに「須美さん、手に入れました」と言っていました(笑)。 ――(笑)。当時の『ザ☆ウルトラマン』やムツミ隊員に対する印象は? 島本 ウルトラマンシリーズ自体は実写の作品を拝見していて、アニメになることに感動した覚えがあります。最近のテレビアニメは1クール作って評判が良ければセカンドシーズン、となることが多いですが、あの頃は最初から半年間、もしくは一年間で作っていたので、一年間携われるということも嬉しかったです。当時の私は声優デビュー1年目のド素人で、私の声優人生もちょうど45周年なんですよ。……「おめでとうございます」って言わないな(笑)? ――すみません、おめでとうございます(笑)! 島本 ありがとうございます。言わせました(笑)。それまでは舞台をやっていて、私自身も女優になりたいと思っていたんですよね。でも、この作品は毎週何曜日の何時からって収録のスケジュールが絶対で、舞台ができなくなってしまったんです。商業演劇で一カ月のオファーが来ていたんですが、それもお断りしなくてはいけなくて。本当にやりたい舞台の仕事ができないなら、声優にこだわらなくてもいいなと思い、『ザ☆ウルトラマン』の後はマネージャーに、レギュラーの仕事は入れないでくださいとお願いしました。 ――ある意味、苦い思い出もある作品なんですね。 島本 この後、何年か空けて声優の仕事が増えるんですが、アニメの仕事はしばらくレギュラーではやっていなくて、単発のものだけなんです。たまたまこの作品の収録スケジュールが厳しかっただけで、舞台に出演しながら声優の仕事をしている方はたくさんいると、後でわかったんですけれども。 ――出演後はどういった反響がありましたか? 島本 同じ年に『ルパン三世 カリオストロの城』が上映されていて、ムツミ隊員よりもクラリスの反響が大きかったんですよね。今はやっちゃダメなんですが、当時はファンレターをくださった方に、『ザ☆ウルトラマン』の台本にサインを入れて送ったりしていました。 ――今も大事にされているといいですね。 島本 そうですね。ちょっと調べた感じ、裏で売られてはいないみたいです(笑)。 (C)円谷プロ