コンゴ国営鉱山会社、中国企業の買収阻止へ 重要鉱物支配に対抗
Felix Njini Pratima Desai [ヨハネスブルク/ロンドン 22日 ロイター] - コンゴ(旧ザイール)の国営鉱山会社ジェカミンは、同国の鉱山会社シェマフに対し、コバルトと銅の資産(鉱山と製錬所)を約100万ドルで買収することを提案した。重要鉱物の中国支配を回避することが目的。関係者2人がロイターに語った。 シェマフは今年6月、国有中国北方工業集団(NORINCO)との間で、コバルトと銅の資産売却で合意した。 ジェカミンは、シェマフの鉱山を借用して電気自動車(EV)やエネルギーインフラ向けの銅とコバルトを生産。シェマフから資産売却の受け入れを求められたが拒否し、買収を提案した。 中国は、コンゴと隣国ザンビアにまたがる世界有数の銅産地「カッパーベルト」で勢力拡大を拡大しており、米国も警戒している。 関係者によると、シェマフには9億─10億ドルの負債があり、さらに再建に3億ドルが必要。中国側は負債や未払い税金を含め9億─10億ドルを提示しているという。 ジェカミンのルカマ総裁は「負債の徹底調査を条件に中国側より良い条件を提示しているのは確実だ」と強調。コンゴ政府はシェマフに対し、中国側の提案を受けないよう文書で通達したという。 関係者によれば、米国も中国の買収を阻止するようコンゴに働きかけている。