このままでは中国が「不況」を世界各国に輸出しかねない…!中国のハリボテ経済が抱える「恐ろしい爆弾」
中国は景気後退を回避できるのか?
9月下旬、中国政府が急速な経済対策を発表したことにより、中国経済の先行きに弱気だった主要投資家の一部は、慌てて本土株など中国関連資産に資金を振り向けた。その結果、中国企業の株価は急騰。日本株の買い持ち・中国株の売り持ちを急速に解消せざるを得なくなる投資家もいた。 【写真】これはヤバすぎる…!中国で「100年に一度の大洪水」のようす ただ、こうした動きが続き、中国の景気が持続的に回復に向かうかは現時点で疑問符がつく。 前編記事〈やはり中国経済はハリボテか…「官製バブル」の裏で発表されていた「不都合なデータ」〉では、中国の先行きの暗さを示唆する各データについて解説した。 では今後の展開はどうなるのか。 短期的に追加の経済対策によって中国の株価が上向き、住宅価格の下落ペースが緩和する可能性はあるだろう。それに伴い、一時的に中国の消費者信頼感が上向き、個人消費が反発するような変化が起きる展開も想定される。 実際、そうした見方から、これまで非保有としてきた中国株を急速に買い戻す投資家も増え、国慶節の連休中、深圳などの大都市でマンション購入を検討する人も急増しているようだ。 問題は、今後に出てくるものも含め経済対策が景気の下げ止まり、持続的な持ち直しにつながるか否かだ。少なくとも9月後半に発表された経済対策の政策運営方針が続く限り、中国経済が本格的な回復に向かうか不確実な部分が残る。 一つの要因は、依然として中国政府が供給サイドの支援を重視しているとみられることだ。
国有企業を優先するも…
バブル崩壊から経済を立て直して成長率を高めるには、需要サイドの支援が必要だ。1930年代の米国が行ったように、公共事業などを増やして雇用と所得の機会を増やす。その上で規制緩和などを実施して起業や成長期待の高い分野での産業支援を実施し、需要を創出する。 しかし、9月26日の中央政治局会議の内容からは、供給サイド優先から需要サイド支援へ政策の軸足を移す考えは読み取れなかった。 米ピーターソン国際経済研究所の試算によると、2024年6月時点で時価総額上位100社の中国企業で国有(混合所有含む)は67%の一方、純粋な民間企業のシェアは33%に低下した。2021年に中国政府がIT先端企業への締め付けを強めて以降、主要企業に占める民間企業の時価総額、売り上げともに低下傾向だ(国進民退)。 今なお国有企業などを重視し、先端分野を中心に民間企業への締め付けを重視する政策指針に変更はないと考えられる。 米国株式市場で新規株式公開(IPO)を断念したネット通販会社の“SHEIN(シーイン)”は、英国でのIPOを目指しつつ代替案として香港上場も検討していると報じられた。中国政府によるデータ管理、民間企業の創業経営者による資産の海外移転などの監視もあり、同社の資金調達の選択肢は少なくなっているように見える。 ただ、中国では国有企業なども業績懸念が高まっている。