「ペロブスカイト太陽電池」量産…積水化学が政投銀と新会社
積水化学工業は26日、総額3145億円を投じてペロブスカイト太陽電池を量産すると発表した。日本政策投資銀行と共同で新会社を設立し、シャープの本社工場(堺市堺区)の建屋や電源・冷却設備などを譲り受けて同電池の生産設備導入などに取り組む。2027年に発電容量10万キロワット、30年には同100万キロワット級の供給体制を構築する。 【写真】積水化学が実証、新幹線の防音壁に「ペロブスカイト太陽電池」 「積水ソーラーフィルム」(大阪市北区)を25年1月6日付で新設。資本金は1億円とし、積水化学が86%、政投銀が14%出資する。新会社のトップには積水化学の上脇太取締役専務執行役員が就く。27年までの量産には900億円を投じる。 積水化学は同電池について25年に事業化するとしていた。当面は研究所の生産設備を使う。コスト低減や施工方法の改善などの実証を進めてきたが、25日に経済産業省が「GXサプライチェーン構築支援事業」に採択。総経費の約半分を補助金でまかなうめどがついた。加藤敬太社長は「当社は耐久性でリードしている。国の政策や(世界の)地球温暖化にコミットしていきたい」と意気込んだ。