待たれるパリ世代の台頭。藤田、望月、関根...10月シリーズはノーチャンスでも予選はまだ続く。「俺が、俺が」とエゴを出すくらいの猛アピールにも期待
この段階で悲観する必要はない
クラブで右サイドバックを主戦場とする望月、関根にしても厳しい環境に直面しているのは一緒。現代表の3-4-2-1の場合、2人が目ざすポジションは板倉滉(ボルシアMG)が入っている3バック右、もしくは堂安律(フライブルク)と伊東が君臨する右ウイングバックのいずれかだろう。 その2ポジションのユーティリティ枠は目下、菅原由勢(サウサンプトン)が参入を図っているところで、望月や関根が出番を得るイメージはなかなか湧きづらいところがある。 それでも、森保監督があえて彼らを呼んでいるのは、「最終予選期間中に今、試合に出ている面々に肩を並べ、2026年ワールドカップの戦力になってほしい」という期待があるからだろう。 日本サッカー協会の宮本恒靖会長も、若手の台頭が遅れた2006年ドイツW杯の苦い経験を踏まえ、「若い選手は予選期間中に代表に入って実績を積み上げていかないといけない。本番直前に加わるのは少し遅い」と語っていたが、指揮官も同じような感覚を抱いているはずだ。 次の相手オーストラリアは、サウジ同様の強敵。となれば、どうしても経験不足のメンバーをベンチ入りさせる余裕はなくなってしまいがち。怪我人や体調不良者が出ない限り、次のベンチ外もサウジ戦と同じ顔触れになるのではないか。 ただ、今回はノーチャンスでも、11月以降も予選は続く。3年前の2022年カタールW杯最終予選を振り返っても、三笘が鮮烈なA代表デビューを果たしたのは、日本が崖っぷちに立たされていた11月のオマーン戦だった。前田は2022年1月の中国戦、上田も同年3月のオーストラリア戦と、最終予選の後半から徐々に戦力となっていったのだ。 前回のケースを踏まえると、藤田らパリ世代がこの段階で悲観する必要はない。もちろん前回最終予選に比べると、日本代表の主力メンバーの国際経験値が大きく上がり、チームも快進撃を見せているため、森保監督も大きくメンバーを変える必要のない状況が続いている。そう考えると、若手参入のチャンスはそう多くないかもしれない。 そういったなかで、前回の三笘のような突き抜けた人材が出てきてくれれば理想的。それが藤田なのか、望月か関根か。それとも鈴木唯人(ブレンビー)など別の選手なのか。 そういう期待を抱きつつ、パリ世代の猛アピールをぜひ見たいところ。「俺が、俺が」というエゴをどんどん出すくらいの選手が1人でも多く出てきてほしいものである。 取材・文●元川悦子(フリーライター)
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