明石だこ今が旬 街をあげての釣り・漁師めしツアー潜入
市職員「ぜひ明石に来て」と訴え
これが明石だこだ。活気にあふれた明石浦漁業協同組合の競り場へ THEPAGE大阪
マダコの漁獲量が日本一と言われる明石市では、潮流の激しい明石海峡で育った「明石だこ」が今、旬を迎えている。美味しいシーズンは6月~9月。それに合わせ、タコや街をPRするイベント「明石半夏生たこまつり」が1日から始まった。8月8日までだが、夏至から数えて11 日目の半夏生(はんげしょう、今年は1日)にタコを食べる風習があるという。そんな中、先日、タコ釣り体験や競り場見学などを含めた「明石だこを食べて、猛暑を乗り切ろう!」という日帰りのPRバスツアーが催されたので、参加してみたが、街をあげての盛り上げには驚く。明石市の職員は「明石市内の約50店舗の飲食店で明石だこを使ったオリジナルメニューが提供されますからぜひ明石に来て」と笑顔で訴えた。
明石だこがおいしい理由は?
明石だこについて、井上英之氏(明石浦漁業協同組合理事、漁師)はこう話す。 「明石だこは他産地のタコに比べて足が太く短いんです。これは明石の速い潮流の中で、泳いだり、海底を這ったりするためです。足の太さのわりに大きな吸盤を持ち、2列にきれいにそろっているのがメス、ところどころ大きな吸盤が混ざっているのがオスです。明石だこがおいしい理由は、明石海峡周辺の海底地形が起伏に富み、速い潮流があるため、タコの体が鍛えられて身が引き締まるからです。噛めば噛むほど、旨みと甘みが味わえますよ」 この日はまず明石浦漁業協同組合へ。全国的にも珍しい活魚プールがあり、明石だこや魚の競り場の見学となった。 「明石浦でのセリは活魚を取り扱うことが特徴となっています。このセリは午前11時から行われ、昼過ぎには地元の鮮魚店の店頭に競り落とされたばかりの魚が並びます。それで明石では明石浦の魚を“昼網”と呼んでいます」(明石浦漁業協同組合)という。 実際、大型サイズの鯛などが次々と競り落とされ、迫力ある競り場を見ることができた。
絶品漁師めし披露も
続いて明石の魚を知り尽くした“浜の母ちゃん”こと高山淳子さん(水産庁認定お魚かたりべ)が、絶品漁師めしを披露。タコ墨で揚げる「タコのスミ天ぷら」や「生タコのカルパッチョ」など、異色尽くしだった。当日漁場に水揚げされたイキの良い明石だこはさすがに旨いと言える。 さらに、午後からは乗合船で行く「明石だこ釣り体験」となった。これはタコ釣りを多くの人に知ってもらおうという狙いだ。この時期は、体が大きく足が太い“特大たこ”が釣れることもあるという。 参加者のうち1人が大ぶりのタコを釣り上げ、歓声が上がったが、 あいにく天候が悪く、それ以上の釣果はナシ。それでも、タコ釣りはおもしろく、初心者でも特別な技術は必要ないので、十分に楽しめるだろう。乗合船に参加すれば、クーラーボックスのみの持参で、道具類は貸し出しOKになっている。