カワサキ「Z2」いよいよエンジン組み立て開始!! しかしその前にやるべき各部のコンディション確認 ~日本の至宝「空冷4発」を未来へ継承~Vol.25
Z1E型純正クランクシャフトにΦ69mmピストンを組み合わせる
トラブルらしきトラブルは何も無く、エンジン本体も至って、静かで絶好調そのものだったカワサキ750RS/Z2-A前期モデル、しかし、不満が無い訳ではありませんでした。その不満とは、正直申して「とにかく遅く、パンチ感が薄いエンジン」だったことです。 【画像】「超カッコイイ!」カワサキ「Z2」クランクシャフト組み込みの様子を画像で見る(9枚) エンジンが不調なのではなく、兄貴分である900Z1の実力=本来の速さやパンチ感を知ってしまうと、パワー感が希薄なZ2Eエンジンには、少々残念な印象を抱いてしまいます。
Z750F/1976年モデルのA4型を所有していた高校生の頃にも、今ひとつパンチが薄い750ccエンジンだと感じていましたし、先輩が所有するヨシムラパーツで860cc+ハイカムを組み込んだZ2Eに試乗させて頂いた時には、その力強さに驚きました。 そもそも、900Z1として誕生したエンジンなのだから「本来の姿=本来のエンジン仕様で走らせたい!!」というのが、個人的な正直な想いでもありました。せっかくオーバーホール&フルレストアでエンジン分解したのだから、「どうせなら」といったわけです。
しかし、単純にZ1E仕様にモディファイしても、面白くありません。そこで、Z1Eエンジン用として販売されていたボアアップピストンを組み込むことにしました。当時のアメリカでも流行っていたらしいΦ69mm仕様のピストンを組み込み、ボア×ストローク=69×66mmの総排気量990cc仕様で組み立てることにしました。 その気になれば1200ccまででも排気量アップは可能ですが、900Z1のテイストは排気量1000ccでも味わえるはずだと考えました。その計画を実現するために「Z1純正クランクシャフト」も購入しました。 ちなみに1972~1975年モデルまでの900Z1用クランクシャフトは、クランクウェブのカウンターウエイトが軽く設計されている特徴があります。KZ900やZ1000A系クランクシャフトは、カウンターウエイトがZ1クランクに対して大きく、やや重い設計になっていました。初代空冷Z系に詳しいバイク仲間かつプロメカニックにお話しを伺うと「Z1クランクを使ったときの軽い吹け上がりは魅力的だよね」とも伺いました。そんな言葉にも興味を抱き「Z1E用クランクシャフト」にこだわってみることにしました。