岸田首相との「分断」が進む麻生副総裁と茂木幹事長の狙いはどこにあるか
三頭政治になぞらえた
岸田文雄首相と茂木敏充自民党幹事長との溝の深さが鮮明になってきた。少し前までは、麻生太郎副総裁と共に「三頭政治」などと呼ばれてきたが、いよいよその体制も瓦解しそうな気配があるのだ。茂木幹事長、麻生副総裁の動向も含めてお伝えする。 【決定的な証拠】本人も謝罪せざるを得なかった 「手繋ぎデート」「ホテル滞在」を捉えた写真
「茂木氏は元々、岸田首相の後をうかがう姿勢が露骨すぎて岸田首相からかなり警戒されてと言うか嫌がられていました。幹事長を外そうとしたことも何度かあったのですが、その度に麻生氏が“まぁまぁ、そう言わずに”などとなだめてきたという経緯があります」 と、政治部デスク。 「茂木氏はそういった3人の連携を“三頭政治”とあえて呼んで、外部に積極的に発信していました。共和政ローマ末期に登場した政治体制になぞらえたわけですが、首相を支えると言うよりはむしろ自身の影響力の誇示の方が注目され、首相自身うとましく思っていたことは間違いないでしょう」(同)
派閥解消宣言から
とはいえ、表向きは平和が保たれていたのだが、そういった関係に決定的なヒビが入ったのが、首相による「派閥解消」宣言だった。 「茂木氏はとにかく“聞いてないよぉ~”を連発していました。前もって相談がないことへの不快感を示していたわけですね。首相にしてみれば、前もって相談していれば情報が漏れてインパクトがなくなっていただろうといった思いもあるのかもしれませんが。ともあれその後は茂木氏の首相への対応が冷ややかになりました」(同) 先日、首相も出席して行われた政倫審への茂木氏の対応は、その最たる例だとされている。 「茂木氏がほとんど何もしなかったということです。首相との関係が冷え切っていることは確実でしょう。ただ、それ以上に気になっているのは自派閥の動向の方のようです」(同) そもそも茂木氏は派閥を掌握し切れていないとの指摘をたびたび受けてきた。
メディア上層部との会食
「議員引退後も政界に影響力を保持してきた青木幹雄氏(2023年死去)からは、派閥のボスとして正式に認められないという異常事態が長らく続きました。首相の派閥解消宣言の後は、青木氏が派閥を継がせたかった小渕優子選対委員長ら脱退組が続出し、茂木氏の神経を逆撫でしていることでしょう」(同) 岸田首相が派閥解消を訴えても、派閥を拠り所にすべく振る舞ってきた茂木氏としては好ましくない状況だろう。 「茂木氏はメディアの上層部と会食をするのが好きなのか、結構な回数を重ねています。茂木氏について本音の部分でどう思っているかに関係なく、自民党の幹事長の誘いとあれば欠席という選択はありません。そして、その場に臨むメディアの面々は茂木氏をそれなりに持ち上げるそうです。実際、茂木氏はある部分では優秀ですが、他人には厳しく自分には甘い。そのためそんな社交辞令を真に受けて、“次の首相の座も近い”と勘違いしてしまっているようです」(同) 実際には、むしろ首相から遠ざかっているというのが衆目の一致するところのようだ。