「エロい性的同意は可能」30歳ドラァグクイーンが“性教育反対派”に思うこと
露出が多いと性被害に遭いやすいという誤解
――性被害に関して当時は違和感はなくても、後から性被害だったと気づくケースもあると思うのですが、その場合になされる対応を教えてください。 性的同意年齢が引き上げられてから法律でカバーできる場合もあります。一方で、被害者が警察に相談しても、警察の対応によっては、過去の出来事に対して適切な対応が得られなかったことも珍しくありません。 ――警察の不適切な対応の例として、どのようなことが挙げられますか? 例えば、痴漢やストーカー被害に遭った方に対して、その時どのような服装をしていたかを聞くことや、服装で被害者を責めることは不適切です。プライベートな部分は同意なしで触ってはいけないという前提がなければなりません。特に日本では被害者に対して服装を責めるような言説が多く存在します。 ――性被害に遭う人たちに焦点が当てられていないと。 日本では服装によって性被害を受けやすいという誤解が広まっています。痴漢防止の啓発ポスターでさえも、被害者を責めるようなスタンスで制作された事例があるのも事実です。 2019年、ニューヨーク・ファッションウィークのショーでは、性被害に遭ったサバイバーたちが当時着用していた服をテーマにしたものが行われ、露出が高くない服でも性被害に遭う可能性があることを証明する内容になっていました。
加害者にならないためにできること
――相手に嫌だと伝えづらい場合はどうしたらいいのでしょうか? 周りが行動することもできます。臨床心理士のみたらし加奈さんが副理事を勤めているNPO法人 「mimosa」の「誰でもできる5つの行動『5D』」が実践的です。 そこには、セクハラに直面した場合の行動として、「Distract(注意を逸らす)」「Delegate(依頼)」「Document(証拠を取る)」「Delay(後で)」「Direct(指導する)」の5つの行動が紹介されています。 ――加害者にならないためにできることはありますか? 同じような出来事を繰り返さないためにも、加害した側をバッシングして終わりではなく、問題が起きた背景や状況、それを防ぐためや再発しないためにできることなどを考える必要があります。 誰もがマジョリティ・マイノリティ性を持っているという点で、例えば、男性であることで社会的に優位な立場に置かれていることを認識するなど、特定の属性を理解するだけでも社会は徐々に変わると思います。