「娘と僕は本当の親子。僕は無実」2歳義理の娘「虐待死」など問われた父 一審の懲役12年から『逆転無罪』勝ち取る「独房で過ごした5年半。闘い続けて良かった」
■“超異例”の保釈決定
一審で長期実刑判決を受けているにも関わらず、判決直前に保釈が認められる異例の決定で、「逆転無罪」の公算が高まっていた。 ただ、GPS装着による行動把握などの保釈条件で、今西さんの生活には制限があることは変わらず、今西被告は希望と不安な気持ちのまま、ようやく28日の判決を迎えた。
■「今西さんが身体的虐待を加えていたことを示す事情は見いだせない」高裁は逆転無罪
大阪高裁(石川恭司裁判長):一審の有罪部分を破棄する。被告人は無罪。 判決で大阪高裁は、傷害致死罪について「頭に外力によるケガの痕を残さず、脳の深い部分に損傷を与える方法について、どうやったらそれができるのか。その機序・程度について科学的に説明する必要がある。検察がその具体的立証をともなって、はじめて暴行を推認できる。しかし、その立証はされておらず、外力を認定することは困難。一審判決は論理の飛躍があり、死因が外力か内因かに立ち入るまでもない」などと指摘。 また、「今西さんの供述や女児の母の証言を通じてみても、今西さんが身体的虐待を加えていたことを示す事情は見いだせない」として無罪を言い渡した。 法廷で目を真っ赤にしながらハンカチで涙をぬぐった今西さん。
■「本当の親子として過ごしていました。希愛が亡くなって、僕が逮捕されたことで幸せな生活のすべてが破壊されました」
判決を終え、午後3時10分過ぎから臨んだ会見で思いを語った。 今西貴大さん:(娘の)希愛と僕は、本当の親子として過ごしていました。希愛が亡くなって、僕が逮捕されたことで幸せな生活のすべてが破壊されました。裁判を通じて、警察・検察が見落としていた『心筋炎』など、希愛が亡くなった本当の原因を見つけることができました。今は、真実が分かったことに安堵しています。
■「判決の主文は『無罪』でしたが、僕は『無実』です」
今西貴大さん:判決の主文は『無罪』でしたが、僕は『無実』です。いわれなき罪を着せられ、刑事裁判の当事者となった僕は、人質司法、当事者に対する偏見、そして揺さぶられっこ症候群をめぐる非科学的な医学鑑定など、日本の刑事司法が抱える問題点を表と裏との両方から経験しました。約4年前、本日と同じ201号法廷で有罪判決を言い渡されたときは、人生のどん底に突き落されました。
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