「娘と僕は本当の親子。僕は無実」2歳義理の娘「虐待死」など問われた父 一審の懲役12年から『逆転無罪』勝ち取る「独房で過ごした5年半。闘い続けて良かった」
2歳の義理の娘は、父親による暴行で亡くなったのか、それとも突然死だったのか。 21人の医師が証言台に立って死因が争われた注目の裁判で、大阪高裁は28日、一審で懲役12年の実刑判決を受けた今西貴大さん(35)に逆転無罪を言い渡した。 【写真】「娘と僕は本当の親子。僕は無実」虐待死などの罪問われた父に『逆転無罪』 約5年半にわたる大阪拘置所での勾留が続いていたが、ことし7月に異例の保釈決定が出て自宅に戻り4カ月。ようやく勝ち取った逆転無罪だった。 主文で「一審の有罪部分を破棄する。被告人は無罪」と告げられた瞬間、今西さんは目を真っ赤にして、ハンカチで涙をぬぐった。
■「娘と僕は本当の親子として過ごしてきた。逮捕で幸せな生活のすべてが破壊された」
11月28日午後3時10分すぎから会見に臨み、「娘と僕は本当の親子として過ごしてきた。逮捕されたことで幸せな生活のすべてが破壊されました。判決の主文は『無罪』でしたが、僕は『無実』です」と語った。
■「『うっ』となって!息してないです!早く来てください!」
ことの発端は、2017年12月の夜、今西さんが当時2歳の義理の娘と大阪市東淀川区の自宅で遊んでいた時のことだった。 娘が突然苦しみだし、呼吸が停止。 「『うっ』となって!息してないです!早く来てください!」 今西さんは119番通報の際、慌てた様子でこう説明していた。
■病院は虐待を疑い通報 逮捕・起訴されたのは『最後に一緒にいた』父親
病院に運ばれた娘は、体に目立ったケガはなかったが、頭の中で出血が確認されたことなどから、病院は虐待を疑い通報。娘は意識が戻ることはなく、7日後に死亡した。 最後に一緒にいた今西さんが傷害致死罪などで逮捕・起訴され、否認し続けた今西さんは拘置所生活が続くことになった。
■『暴行』か『病死』か 1審の地裁は懲役12年の実刑判決
一審では、13人の医師が法廷に立ち、希愛ちゃんの死因が揺さぶりなどによる暴行か病死かが争われた。大阪地裁は「損傷は脳の深い部分にある脳幹を含んでおり強い外力がないと生じない」などとして懲役12年の判決を言い渡した。
■「こんなやってもないことで、こんなことになるなんて…ありえへん…」
今西さんは拘置所内で毎日つけていた日記にその時の心情をつづっている。 今西貴大さんの日記:こんなやってもないことで、こんなことになるなんて…ありえへん…。 今西さんは控訴しました。 川崎拓也弁護士:無実と無罪は違う概念で、本当の無実の人が無罪になるとは限らない。 二審は、ことし5月に結審。 そして2カ月後の7月、再逮捕後、退けられ続けてきた今西さんの保釈請求が認められた。
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