インドのシン前首相が死去、経済を外資に開放したシーク教徒-92歳
(ブルームバーグ): インドのシン元首相が死去した。92歳だった。ガンジー一族から厚い信頼を得ているシン氏は、インド経済をソビエト連邦の影響下から解き放ち、約10年もの長期にわたって首相を務めた。
25日にシン氏が重篤な容体でデリーの病院に搬送されたと、現地メディアが報じていた。インド史上「最も傑出した指導者」だと、モディ首相はソーシャルメディア「X(旧ツイッター)にシン氏への追悼の言葉を投稿した。
英オックスフォード大学とケンブリッジ大学で経済学を学んだシン氏は、インド人としては唯一、中央銀行総裁と財務相、首相を務めた人物。宗教的少数派のインド首相は、シーク教徒である同氏が最初となった。1991年から96年にかけ、シン氏は国営企業のクオータ制を廃止し、複雑な認可プロセスをやめ、外国企業に経済を開放した。インド経済は20年余りを経て規模が7倍に成長し、アジア3位の経済国に浮上した。
現在のパキスタンで生まれたシン氏は、水色のターバンと白いチュニックがトレードマークだった。汚職がまん延するインド政界において、同氏の質素なライフスタイルは尊敬を集めた。
原題:Manmohan Singh, Premier Who Unleashed Indian Economy, Dies at 92(抜粋)
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