【特集】経済もサッカーも急成長 インドネシアとの交流で見据える未来 J2甲府の戦略とは 山梨
国内プロリーグで熱い戦いを繰り広げる一方、ピッチの外での活動にも積極的に取り組むサッカーJ2・ヴァンフォーレ甲府。年間400回超の社会貢献活動は地元・山梨にとどまることなく、海を渡り、東南アジアへ。その背景を取材しました。 【写真を見る】インドネシアで行われたサッカークリニック
■なぜインドネシアなのか
クラブスタッフは、日本から5,000キロ近く離れたインドネシアへ。9月から10月にかけて、3つの都市でサッカー教室を開きました。 教室はSDGs(持続可能な開発目標)達成に取り組むクラブが、Jリーグとともに去年に続いて開催したものです。
佐久間悟社長 「今、私たちは新しい挑戦をしている。東南アジアで積極的な交流を図っていて、最終的には産業の発展につなげられないかと考えている」
ヴァンフォーレ甲府の佐久間社長もこのようにあいさつし、期待をみなぎらせる国際交流。そこには日本とインドネシア、両国の企業のサポートもあります。その狙いとは―。
佐久間社長 「ASEAN(東南アジア諸国連合)の皆さんとの交流をまずスポーツで図り、最終的には山梨県や日本にとってさまざまな経済的メリット、恩恵につながると考えた。インドネシアが持つ大きなポテンシャルとして人口の多さがある。生産人口の割合が大きい。インドネシアをマーケット・ターゲットにすることは非常に有益になるのではないか。サッカーの面では、近年目覚ましい進化を遂げている。将来的にはインドネシアの選手を獲得してピッチで躍動してもらう。そこにインドネシアの企業にご支援や応援をいただく。そんな循環になればいい」
■世界4位の人口とサッカー界の急成長
世界4位となる約2.8億人の人口を背景に、経済成長率は近年5%程度を維持。ASEANの中でも発展が著しいのがインドネシアです。 一方で、代表チームの強さを示すFIFAランクは130位と、急上昇している国・地域の一つ。経済力もサッカー人気も上昇しています。 そんな勢いのあるインドネシアと強く結びつくことは、クラブとしても、山梨の経済としても大きなメリットになるとクラブは考えます。 4日間開かれた教室には、小学生年代の子どもたち計約400人が参加。クラブの育成組織が培ってきた子どもたちへの指導術は、インドネシアで新鮮だったようです。