米政府、北朝鮮軍が「数日以内に」前線に投入されるとの見方 ウ軍との戦闘参加なら「正当な軍事標的」
ブリンケン米国務長官は31日、ロシアに派遣された北朝鮮兵が数日以内にウクライナ軍との戦闘に投入されるとの見方を示し、ウクライナとの戦闘に参加すれば、北朝鮮兵は正当な軍事標的になると警告した。 ブリンケン長官はワシントンで開かれた米韓外務・国防相会合後の記者会見で、ロシアは北朝鮮兵に対し基礎的な歩兵作戦などの訓練を行っていると述べ、北朝鮮部隊を前線に投入する「完全な意図」があることが示唆されていると述べた。 その上で、ロシアにすでに約1万人の北朝鮮兵が派遣されていると指摘。このうち最大8000人が、ウクライナが越境攻撃を行っている西部クルスク州に配置されているとし、「数日以内」にこうした北朝鮮兵がウクライナ軍との戦闘に投入されるとの見方を示した。 米韓は今回の会合で対応のための多様な選択肢について協議したとし、多数の兵士が犠牲になっているウクライナとの戦闘に北朝鮮兵を投入することは、ロシアの「明確な弱さ」の表れと指摘した。 また、中国が北朝鮮の挑発行動を抑制するために一段の行動を起こす必要があるとの考えで米韓が一致したとも言及。 米中の当局者が今週、対話を行ったと明らかにした上で、中国は米国の懸念をよく理解しているとし、北朝鮮に対する影響力を利用してこうした活動を抑制するよう働きかけることを期待していると述べた。 オースティン国防長官は同記者会見で、数日以内にウクライナに対する新たな安全保障支援を発表すると表明した。 また、ロシア軍は1日約1250人の犠牲を出しているとし、これに比べると北朝鮮兵の数は取るに足らないと指摘。ウクライナ軍はロシアのクルスク州で制圧した領土を維持できる可能性があるとの見方を示した。