ノジマが約112億円でVAIOを子会社化 2025年1月6日付で(予定)
ノジマは11月11日、取締役会においてVAIOの発行済み株式の93%を取得すること決議した旨を公表した。予定通りに手続きが進むと、2025年1月6日付でVAIOはノジマの子会社となる。 【写真】VAIOの最新製品「VAIO SX14-R」
買収の概要
現在のVAIOは、ソニー(現在のソニーグループ)から「VAIO(バイオ)」ブランドのPC事業を分社化する形で2014年7月1日に発足した。 分社されたVAIOの株式は、日本産業パートナーズ(JIP)傘下の持ち株会社「VJホールディングス3」が91.4%を保有している。今回、ノジマは特別目的会社(SPC)を通してVJホールディングス3の全株式を取得する。さらに、ノジマのSPCは「JIPキャピタル事業成長パラレル投資事業有限責任組合」(JIP傘下の有限責任組合)からVAIO株式(全株式の1.6%に相当)を取得する。 VJホールディングス3の買収とVAIO株式の取得により、ノジマはSPCを通してVAIO株式の約93%を保有する筆頭株主となる。ノジマによると、VJホールディングス3とVAIOの株式取得にかかる費用は約111億円、本件取引に伴う経費(アドバイザリー費用など)は約1億円を見込んでいるという。
ノジマはなぜVAIOを買収するのか?
ノジマは横浜市に本社を構え、神奈川県を中心に家電量販店を展開している。その一方で企業買収(M&A)にも比較的熱心で、2017年には富士通からインターネットサービスプロバイダー(ISP)の「ニフティ」を買収している(※1)。 (※1)この際にニフティは「法人向けクラウド事業」と「個人向け事業」で事業分割を行い、ノジマは個人向け事業を継承した新会社「ニフティ」を買収した。なお、旧ニフティは「富士通クラウドテクノロジーズ」と商号変更した上で法人向けクラウド事業を継続運営してきたが、2024年4月1日に親会社である富士通に吸収された 今回の株式取得について、ノジマは「VAIOの持続的な事業拡大に向けて、ブランド力と高い品質を維持しながら、VAIOの成長ポテンシャルをさらに引き出」しつつ、「(ノジマとVAIO)両者の顧客基盤を活用した双方の事業機会の創出・拡大や、当社グループの安定的な財務基盤を生かしたVAIO財務戦略の強化・推進等、それぞれの強みを生かしてグループシナジーを発揮」し、「純国産PCメーカーとしてVAIOの魅力を国内外のお客様にお届けし、IT・デジタル関連商品・サービスの提供を通じて豊かな生活に貢献する『デジタル一番星』を理念に掲げる当社グループの企業価値の更なる向上」を目指すという。
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