遠隔操作ツールの老舗「TeamViewer」が“AR企業の買収劇”を後押しする理由
産業用の拡張現実(IAR:Industrial Augmented Reality)ウェアラブルデバイスベンダーRealWearは2024年11月14日(現地時間)、ARヘッドセットを製造するAlmer Technologies(以下、Almer)を買収した。同社は、使いやすさに強みを持つ小型のスマートグラス「Almer Arc」シリーズを開発し、産業分野で増加するARの需要に応えている。 この買収には、リモートデスクトップツール「TeamViewer Remote」を手掛けるTeamViewerも関与。同社がRealWearを戦略的および財務的に支援した。その背景には何があるのか。
TeamViewerが買収に関与した理由
RealWearによると、産業分野では生産性と安全性を向上させるデバイスの需要が増加している。その中で、エンドユーザーが直感的に利用できるARデバイスの需要は特に高まっているという。AlmerのARヘッドセットを製品ラインアップに加えることで、多様な産業に対応した製品を提供するのが買収の目的だ。 関係者は、買収の動きを「フロントラインワーカー(現場従業員)に最先端のAR技術を提供するというミッションを押し上げる取り組みだ」と評す。RealWearはAR市場で築いてきたブランド、音声を使った操作機能などをAlmerのARスマートグラスと組み合わせることで、新しい顧客開拓が可能になる。 Almerの共同創設者はRealWearの経営陣に加わり、スマートグラスのグローバル展開に注力する。RealWearの製品開発サイクルは加速する見込みだ。 RealWearのCEOクリス・パーキンソン氏は、「欧州におけるAlmerの成功は、ARの普及を世界規模で推進するというRealWearのビジョンに沿うものだ」と説明する。 企業向けARソフトウェアのリーディング企業であるTeamViewerとの協力関係を強固なものにすることも買収の目的だ。「Almerのサブスクリプション型のARデバイスを取り入れれば、RealWearの製品群を強化できるだけでなく、ユーザー企業に対してより柔軟なサービスを提供できる」。パーキンソン氏はこう説明する。 この買収はTeamViewerが支援した。 TeamViewerは、Almerの買収以前からRealWearおよびAlmerの少数株主であり、両社の主要なパートナーとしての役割を担ってきた。買収後もその役割に変わりはない。 TeamViewerは同社のソフトウェアをスマートグラスに組み合わせることで、さまざまなユーザー企業のニーズに応えられるエコシステムを構築するという。 TeamViewerのソフトウェアはすでにRealWearおよびAlmerの製品に導入済みだ。欧州やアフリカを統括するCoca Cola HBCや米大手自動車メーカーFord Motor、システムインテグレーターSamsung SDSなどが利用している。 本記事は米国TechTargetの記事「RealWear looks to reshape industrial AR with Almer acquisition」を翻訳・編集したものです。一部、翻訳作業に生成AIを活用しています。
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