かつての「ぎゅうぎゅう詰めの満員電車」は思い出に― ピーク時は約389万人利用の『弘南鉄道・大鰐線』近年は約27万人まで減少 運行休止の方針に沿線の学校は「大変ショック」どうなる“地域の足”
青森テレビ
2027年度末で運行休止の方針が示された弘南鉄道・大鰐線についてです。 沿線には多くの学校があり、登下校の交通手段としても利用されてきたため、学校側は代替交通をどのように確保するか、対応が迫られることになります。 【写真を見る】かつての「ぎゅうぎゅう詰めの満員電車」は思い出に― ピーク時は約389万人利用の『弘南鉄道・大鰐線』近年は約27万人まで減少 運行休止の方針に沿線の学校は「大変ショック」どうなる“地域の足” 弘前市と大鰐町を結ぶ弘南鉄道大鰐線。沿線住民に70年以上愛されてきた鉄道が、2027年度末で休止する方針が示されたことに惜しむ声が上がりました。 利用客は 「ずっと使ってたので、これが無くなるのはすごい大変だと思います」 「寂しい限りです。なんとか存続してほしいですね。学校時代に通ってたので、今みたいにスカスカの中ではなくて、ぎゅうぎゅう詰めの満員電車で通ってたので、それは思い出になりますね」 1952年に開業した大鰐線。弘南鉄道が経営を受け継いだのは1970年です。沿線には、「弘前高校」や「東奥義塾高校」を始め多くの学校があるため、学生たちの交通手段として重宝されました。 利用者数はピークの1974年度に389万人台を記録しましたが、昨年度はその7%足らず、約27万1000人にまで減少していました。いまは沿線の学校7校ほどの生徒や学生が通学に使っています。 このうち、弘前学院聖愛中学高等学校では、全校生徒の1割にあたる50人ほどが弘南鉄道で通学をしています。 弘前学院聖愛高校 小野寺仁 副校長 「近いうちに(運行休止が)来るかもしれないという危機感は、常に抱きながらも今回やはり正式にこういう形で表明されたということは、大変ショックですね」 学校で苦慮しているのが大鰐線の運行休止は約3年後とされていることです。中学校から高校に入学する生徒は、途中で交通手段を変えることが余儀なくされます。 弘前学院聖愛高校 小野寺仁 副校長 「中学生としてみれば6年間ですから、残り3年間お預かりした子どもたちの登下校の交通をどのように継続して確保していくかというのは、責任をもって対応していかなければならない」
弘前学院聖愛では、スクールバスを運行することも視野に入れながら生徒の交通手段の確保を進めたいとしています。 また、弘前市も地元の「弘南バス」と協議しながら代替交通の確保を検討する方針です。 ただ、バスの運転手確保は現在、運送業界で大きな問題になっていて、弘南鉄道の休止を巡る対応は今後、関係機関が一体となって取り組むことが必要になります。
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