【解説】“新型ミサイル”攻撃に使用 プーチン大統領の狙いは…?
──ロシアが今回発射した新型ミサイルの性能はどうなのでしょうか。 今回の新型ミサイル「オレシュニク」は、これまでロシアがウクライナで使用したミサイルの中で、最も射程が長く、速度も速いと言われています。また、複数の核弾頭を搭載できるという特徴があり、核の威嚇としての意味合いもあります。さらに、秒速2~3キロという極超音速で飛行することから、アメリカなどが誇る最新の防空システムでも撃ち落とせないと、性能をアピールしました。 アメリカなどに対し、これほどの兵器を持つロシアとの全面衝突を望むのかと、警告した形です。ただし、ロシアはまだわずかしかこの新型ミサイルを保有しておらず、今後、本格的に実戦投入するというよりは、今回の発射も政治的なメッセージの色合いが濃いと言えます。
──今後、ロシアはどう動くとみられるでしょうか? 今回のミサイル発射は、事前通告もしていて、ロシア側からさらに事態をエスカレートさせる意図はないとみられます。やはり念頭にあるのは、アメリカのトランプ政権発足後の停戦交渉です。新型ミサイルで欧米のウクライナ支援をけん制しつつ、今後も戦況で優位に立ち続け、トランプ次期大統領の出方をうかがうものとみられます。