世界の中でも「豪華すぎる」インドの結婚式がエメラルドであふれる理由とは
インドのムンバイで開かれた、大富豪カップルのアナント・アンバニとラディカ・マーチャントの結婚式。花嫁は、いくつものエメラルドをまとって会場に姿を現しました。 【写真】「アジアで最も裕福な御曹司」の豪華すぎたプレ結婚式 花婿も同様です。ボタンとブローチ、ネックレスにエメラルドが使われていました。花婿の母も、エメラルドのネックレスとイヤリング、カフス、ブローチ、ヘアピンを着用。花婿の姉も、キム・カーダシアンをはじめとする数多くのゲストたちも、グリーンに輝くこの天然石のジュエリーを身に着けていました。 結婚式と披露宴にエメラルドのジュエリーをつけて出席することは、インドの伝統です。国内最大のコングロマリット、リライアンス・インダストリーズのムケシュ・アンバニ会長の次男、アナント氏とラディカ・マーチャントさんの結婚披露パーティのゲストたちも、多くがその伝統に従いました。
インドにおけるエメラルドの重要性について、シーゲルソン氏は次のように話します。 「インドのジュエリーにおいて、エメラルドは非常に大きな意味を持つものです。この国の豊かな文化と歴史に、深く根付いています。人の心をつかむ美しさだけでなく、象徴的な意味からも、人々にあがめられてきました」 「歴史的に、エメラルドは王族の権威や神性と関連付けられ、英知と繁栄をもたらし、保護してくれるものと考えられてきました。また、伝説では知性とコミュニケーションを司る水星と結び付けられています」 「こうしたことから、エメラルドの地位はさらに引き上げられ、儀式や祝宴の席、特に新たな始まりと揺るぎない愛を象徴する結婚式で身に着ける装飾品として、好まれるようになりました」 アンバニ家の結婚式で、新郎のほか数多くのゲストのために衣装やジュエリーを用意したSabyasachi(サビヤサチ)の創業者、ファッション&ジュエリー・デザイナーのサビヤサチ・ムケルジー氏は、インドでエメラルドが好まれることについて、次のように説明しています。 「インドの芸術と工芸は、ムガル朝時代にその頂点に達しました。当時、最も人気があり、名声を高めるジェリーとみなされていたのは、エメラルドとスピネルを使ったものでした」 「王族が社会的階級の頂点にあることを表すのは、刺しゅうが施された美しい衣服と、身に着けた色とりどりの素晴らしい宝石でした。インドでは今も、人々は王族のように装うことに魅力を感じます」 「ですから、大規模な結婚式などでは、アンカットダイヤモンドや(ブリリアントカットの原型である)オールドマインカット、ローズカット、フルカットのダイヤモンドと類いまれなエメラルドを組み合わせたジュエリーの数々が、披露されることになるのです」
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