U2が語る『How to Dismantle an Atomic Bomb』20年目の真実、バンドの現状と未来
ラリー・マレン・ジュニアの復帰、バンドの現状と未来
―現在は、次のアルバムへ向けた準備に取り掛かっていますか? ジ・エッジ:今はあらゆることに取り組んでいる。コロナ禍は、曲を仕上げたりアイディアを書き溜めたりしていたから、ものすごい量のネタがストックされている。いろいろ試したり音楽的な可能性を探ったりできる、良いタイミングだと思う。次のアルバムはギター中心になると思うが、ヘヴィなロック・アルバムにはならないだろう。典型的なロックにはなかったギターの使い方をするかもしれない。 僕たちはいつも、まとも過ぎる普通のやり方では演奏しない。ノーマルではU2らしくない。常にユニークなギターサウンドを追求してきた。それが僕たち自身も盛り上がれる重要な要素だと思う。 世の中の動向や流行をフォローするのでなく、自分たち自身がカウンターカルチャーの一部となり一般に広めていくのが、僕たちのやり方だ。今もそれは変わらない。それぞれの楽曲が、アルバムの向かうべき方向性を示してくれる。楽曲を仕上げていくうちに音楽が少しずつ明確な形になっていくんだ。 ―ラリー・マレン・ジュニアの健康状態はいかがですか。スタジオで演奏できるまでに回復しているのでしょうか。 ジ・エッジ:ラリーとは1度セッションをしたよ。近々もう1度スタジオに入る予定だ。いい感じでできている。もちろんいきなり無理はさせたくないが、彼の状態は良い。スタジオというクリエイティブな空間で彼と過ごせるのは、本当に素敵な時間だ。 ―現時点で、次のアルバムのプロデューサーは決まっていますか? ジ・エッジ:ジャックナイフ(・リー)とはずっと一緒で、彼とは上手くやれている。いくつか別のプロジェクト向けのセッションも、同時並行で予定されている。最終的にはU2のプロジェクトとして組み込まれると思うけどね。いろいろな人間と一緒にやれて、楽しいよ。今はいろいろなことを試す実験段階で、音楽が僕たちを導いてくれるのを待っている状態だ。とにかく今は状況を楽しんでいるよ。 ―スタジアムやアリーナを含めて、ツアーの予定はありますか? ジ・エッジ:ツアーについて今のところ具体的には決まっていないが、何度か話し合いはした。さっきも言ったように、僕たちのアルバムは過去の作品を意識して作られている。次は、スフィアでのコンサートを踏まえて、また全然違ったものを打ち出そうと思っている。でも具体的な形はまだ見えていない。 ファンの前で演奏できる日を楽しみにしているよ。ファンに来てもらうというよりも、僕たちの方から出向くというスタンスが大事なんだと思う。ツアーに伴う温室効果ガスの排出量を削減しつつ、僕たちがファンのいる場所へ出かけてコンサートをする方法がきっとあるはずだと信じている。 ―2027年にリリース30周年を迎える『Pop』のボックスセットを心待ちにしているファンも多いと思います。それから『No Line on the Horizon』の姉妹版としてリリースされるはずだった未発表アルバム『Songs of Ascent』も、リリースが期待されています。どちらか一方でも実現の可能性はありませんか? ジ・エッジ:どちらも可能性は高いと思う。でも今のところ積極的に進めてはいない。でもきっと実現すると思うよ。さっきも言ったように、取り組むべき曲の素材が山のように溜まっている。過去にリリースしたU2のアルバムそれぞれから、多くの曲のアイディアが生まれている。『Pop』に関しても何かしらの取り組みができると思う。当時は、クールで実験的な試みをたくさん採り入れていた。とても懐かしいよ。だからきっと、ファンの期待は実現するだろう。 ―新作としてのアルバムのリリース間隔は、今回が最長になっています。多くのファンが、次の展開を期待しています。 ジ・エッジ:僕自身もそうさ。ニューアルバムのリリースも、そしてツアーも待ち切れない。 --- U2『 How To Dismantle An Atomic Bomb (20周年記念盤)』 2024年11月22日リリース 日本盤のみSHM-CD仕様 5CDスーパー・デラックス:UICY-80532/6 / 23,100円(税込)/ 輸入国内盤仕様 / 完全生産限定盤 / 写真集翻訳・解説・歌詞・対訳付 1CD通常盤:UICY-16260 / 3,300円(税込)/ 解説・歌詞・対訳付
ANDY GREENE