米国債、25年は平穏推移も-JPモルガン「現実的サプライズ予測」
(ブルームバーグ): 債券市場のベテラン、ボブ・マイケル氏は、投資家が2025年に完全には備えていないシナリオが一つあるとし、米国債相場が過去10年近くで最も落ち着いた動きになることだと指摘した。
JPモルガン・アセット・マネジメントでグローバル債券・為替・コモディティーの最高投資責任者(CIO)を務めるマイケル氏は、米金融当局が来年に政策金利をほとんど変更しない中で、米国債利回りが8年ぶりの狭いレンジで推移する可能性があるとみている。
18日には市場に動揺が走り、利回りが急上昇。米連邦公開市場委員会(FOMC)が2日間の日程で開いた政策会合後に、よりタカ派的なシグナルを発したと多くの市場参加者が見なしたためだ。
マイケル氏によれば、市場は現時点においてそのような展開を想定していない。それは必ずしも同氏の基本シナリオではないが、5つの「現実的なサプライズ予測」の一つで、これらは全て向こう12カ月に少なくとも3分の1の確率で起こる可能性があるという。
「市場はワシントンから出てくる政策にピリピリしている。税金や移民、規制緩和、関税といった優先事項が話題になっている」と同氏は18日のFOMC政策決定前のインタビューで発言。「しかし、現実にはこれらが可決されるには時間がかかる。1年先を見据える格好だ。市場はこの期間に足踏みすることになる」と語った。
さらに、FOMCが「ほとんど何もする必要がない」と判断すれば、そのような静かな局面が訪れる可能性があると述べた。米金融当局は政策金利を最終的に3.75-4%まで引き下げると、同氏はみている。
FOMCは18日、主要政策金利を0.25ポイント引き下げ、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジは4.25-4.5%に設定された。これで今年の利下げ幅は計1ポイントとなった。しかし、政策当局者らが予測する2025年の利下げ回数(中央値)は2回と、9月時点の4回から半減した。パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は会合後の記者会見で、新たな段階に入ったとし、今後はより慎重に利下げを実施することになると示唆した。