ご飯が琵琶湖の形に ビワイチカレーで滋賀の知名度アップを 「観光誘致にもつながれば…」
自転車での琵琶湖一周を意味する「ビワイチ」の名を冠した「ビワイチカレー」で滋賀県の知名度アップを図ろうという動きがある。武器となるのは琵琶湖の形をした調理器具(金型)「ビワイチ」。開発に成功し、これからというときに新型コロナウイルス禍に巻き込まれたが、昨年秋ごろから利用希望の声が急増してきた。開発者は「今度こそ滋賀県の知名度アップとともに観光誘致につなげたい」と意気込んでいる。 【写真】「ビワイチカレー」ののぼり旗を手にする滋賀県調理師連合会の大田晶子さん 企画商品化したのは滋賀県調理師連合会。専務理事の大田晶子さん(63)が、ご飯を詰めて琵琶湖の形に押し固める「ビワイチ」を企画、大阪府守口市の製作所が約1年半かけて金型を完成させた。 ステンレス製の金型は「ビワイチカレー型」(17・5センチ)など4種類。滋賀県の知名度アップ、観光振興という趣旨を理解した公益社団法人びわこビジターズビューローも商標「ビワイチ」の使用を承諾。県もバックアップし、商品化にあたってビワイチカレーののぼり旗も100本作った。 令和3年2月の発表後はマスコミにも大きく取り上げられ、問い合わせが殺到したが、新型コロナ禍で下火に。「のぼり旗を琵琶湖中に立てる」(大田さん)という夢はかなわなかった。 しかし、昨年秋ごろから県内の飲食店を中心に県調理師連合会に「ビワイチ」に関する問い合わせが寄せられるように。在庫で対応していたが、追い付かなくなり、今月には追加発注した。 「ビワイチ」に関心を示すのは業者だけではない。同県野洲市の「子ども食堂 ポレポレ」も「ビワイチ」の趣旨に賛同してビワイチカレーを提供。参加者の評判がよく、定番カレーに決まった。 「『ビワイチ』の商品化は滋賀県の知名度アップとともに観光誘致につなげることが目的だった」と話す大田さん。「将来は『ビワイチカレー選手権』などを開催できるまで広がり、目的が達成できれば」と希望を語った。 ■ビワイチ昨年は過去最多 「この勢いに合わせて」と滋賀県守山市長 滋賀県商工観光労働部長として、調理器具「ビワイチ」誕生に一役買い、今はサイクリングのビワイチを推進する同県守山市の森中高史市長は、「『ビワイチカレー』は目で見て楽しめるので、おもしろい。ビワイチで滋賀を訪れたサイクリストのいい思い出にもなるのでは」と期待する。