災害で断水時、「協力井戸」で生活用水確保を 湧水豊かな土地柄生かした防災 長野
松本市は災害で上下水道が使えなくなった際に近隣住民にトイレや洗濯などの生活用水を提供する「災害時協力井戸」の募集を始めた。元日の能登半島地震では長期間の断水が続き、井戸水の活用が注目されたことがきっかけ。 【写真】「災害時協力井戸」の目印となるプレート
市によると、湧水が豊富な市内には家庭と事業所の約550カ所に井戸があり、災害時協力井戸として100カ所の登録を目指す。登録は生活用水として使える水質で、市ホームページで所在地を公表することなどが条件。市ホームページで申請し、職員が現地調査を行い、条件が合えば、市が交付する災害時協力井戸を示すプレートを掲示する。利用は災害による断水時に限り、飲料水としては提供しないことも周知する。
県内では佐久市が同様の取り組みを行い、須坂市は災害時の井戸利用で企業と協定を結んでいる。松本市の臥雲義尚市長は3日の記者会見で「避難生活で生活用水を常に利用できるかは重要度が高い課題」と登録を呼びかけた。