【ツール・ド・フランス2024 レースレポート:第12ステージ】勝ち方をつかんだビニヤム・ギルマイ、会心スプリントでステージ3勝目「マイヨ・ヴェールは僕にとって翼のようなもの」 ログリッチが落車で2分27秒遅れ
このクラッシュで一時的にペースを緩めた集団だったが、いつまでも待っているわけにはいかない。残り7kmから再び最終局面に向けた主導権争いが始まって、ヴィスマ・リースアバイクに加えてイスラエル・プレミアテック、dsmフィルメニッヒ・ポストNLも上がってくる。残り5kmでは、UAEチームエミレーツがポガチャルを引き上げて先頭へとやってきた。
残り3kmを切ると、ウノエックスモビリティやバーレーン・ヴィクトリアスも前へ。そうこうしているうちに、各チームの隊列が乱れていく。スプリントに向けて、トレインを維持し進めるチームがなくなっていた。
そうして、混沌としたままスプリントタイミングを迎える。リードアウトを受けたアルノー・デマール(アルケア・B&Bホテルズ)がフィニッシュ前200mバナーを合図に加速。その脇からギルマイやワウト・ファンアールト(ヴィスマ・リースアバイク)、マーク・カヴェンディッシュ(アスタナカザクスタン)らが伸びてくる。逆サイドからはヤスペル・フィリプセン(アルペシン・ドゥクーニンク)も。ギルマイ、ワウト、デマールが横並びのフィニッシュは、ギルマイがすぐに勝利を確信。ホイール半分ほどの差で、今大会3勝目を決めた。
「チームメートの最大限の感謝をしたい。彼らがいなかったら、僕が今日最速であることは示さなかったよ。正直なところ、今日は逃げを最後まで行かせても良いと思っていたんだ。でも、集団スプリントのムードだったから、みんなに今日も勝負させてほしいと無線で伝えた」(ギルマイ)
混戦下でも、冷静さは失っていなかった。最後1kmを示すフラムルージュ通過時には20番手付近にいたはずなのに、いざスプリントとなると好位置まで上がってきている。その理由をこう説明する。
「最後の500mでマイク・トゥーニッセンが僕を引き上げてくれたんだ。何人追い抜いただろうね。彼の働きにどうしても応えたいと思った」(ギルマイ)
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