「開成に合格!」中学受験する我が子の成績を発信、特定されるケースも 親の「承認欲求」に弁護士が警鐘
●実際に親子が特定されたケースも
匿名だったとしても、学校名や成績を書いていけば、特定されるリスクも高まる。都内の有名私立中学に子どもが通う保護者は、受験期から人気を博していた受験ブログの親子を簡単に特定できたと話す。 「その子は御三家志望で、きっと合格するんだろうなと思っていました。ところが御三家はご縁がなかったようで、結局うちの子と同じ学校に入学することになったんです。どんな偏差値で、塾のクラスがどこだったのか。第一志望や併願校も詳細に記録されていたので、実名で掲載される塾の合格体験記と照らし合わせ、親子をすぐ特定できました」 学校で親しくなったママ友にそのブログのことを話すと「ほとんど皆、知っていた」という。今のところ、その保護者と同じクラスになったことはないものの「小学生の時から、その親子のことはブログを通して知っていました。実際に話したことはないのに、成績や親御さんのことをこちらは知っている。不思議な感覚です」。 この保護者によれば、中学受験後も情報発信は継続している。現在のところ、進学先の学校や保護者、同級生について好意的に書いてはいるものの、「いつ何どきディスられるかわからない」と、ハラハラしながらチェックしてしまうそうだ。 しかし、有名人でなくても特定されてしまうケースもある。別の有名私立中に子どもが通う保護者はこう証言する。 「うちの学校に通っている親はXにも複数いるようで、投稿内容から部活やクラスの特定が容易に出来てしまうことも。保護者会でお会いし、ひょっとしたら? と思うこともありました。小学校時代の成績や現在の通塾事情、それに対する親の思いなど赤裸々な投稿を思春期の子どもが見たら怒るでしょうし、他の保護者に自分のことが知られていること自体、子どもは嫌がるのではないでしょうか。そのあたり、親はどう説明しているんですかね」 特定した経験のある保護者たちは「子どもには、特定したアカウントのことは話していない」と口をそろえた。親を介して子どもたちの間で噂になれば、アカウント主の子どもにとって不利益になると考えるからだ。