ポルトガルの風情が香るマカオのスーパーマーケットで発見!見た目も味も喜ばれるお土産
お土産を探しながら市街地をぶらりと散策
街の中心部で目をひくのは、カジノのネオンでも高層ビルでもなく、鮮やかな色。色彩を放っているのは、歴史建造物や公共の建物、人々が昔から暮らす家、そしてその軒先に咲く南国の花々だ。 マカオにこんな独特の風景があるのは、4世紀以上にわたる長い歴史があるからこそ。東アジアでの交易拠点を求めてポルトガル人がこの地にやって来た16世紀以降、ポルトガルと地の文化が融合して独特の文化が育まれた。 散策で道しるべとなるのは、アズレージョ(装飾タイル)の道路標識。どんな小さな路地にもひとつひとつ名前があって、中国語とポルトガル語が表記されている。 人混みを避けるなら、南湾湖の西に聳えるペンニャの丘へ。ペンニャ教会へと続く曲がりくねった坂道を登れば、ますますポルトガルの風情は濃厚になる。 途中には、ピンク色の壁に囲まれた禮賓府(迎賓館)や、黄色のポルトガル領事館。時が止まったような穏やかな景色が、マカオの変わらない美しさをみせてくれる。 ちなみに、マカオは治安がとてもいいので、女性の一人歩きも安心。夏は涼しくなった日没後に、ぶらりと散策するのも気持ちがいい。 市街地を歩いてスーパーマーケットを見つけたら、ぜひ、のぞいてみて。ポルトガルの缶詰やアーモンドクッキーは、見た目も味も喜ばれる、マカオの定番のお土産だ。
マカオを華やかに彩る才能豊かなマカエンセたち
西洋と東洋が入り混じるマカオの風景をさらに独特なカラーに彩るのが、マカエンセの存在だ。マカエンセとは、ポルトガル人の血をひくマカオ人のこと。16世紀半ばにマカオに定住したポルトガル人男性と、現地や近隣諸国(マレーシア、インド、日本など)出身女性との間に生まれた混血がルーツと言われている。 現在、マカオの総人口約69万人のうち、マカエンセは約1万人。全体の2%と少数派だが、その存在感は大きい。 マカエンセのひとり、カルロス・マレイロス氏は、気鋭の建築家、都市計画家、芸術家。マカオ愛と独自の世界観にあふれた作品は「グランド・リスボア・パレス・マカオ」のロビーにも展示されている。 マカエンセたちに伝わる言葉が、パトゥワ語だ。16世紀にマカオに暮らし始めたポルトガル人が、広東やマレー、インドネシア出身者とコミュニケーションをとるために母国語をアレンジしたもので、主に話し言葉として受け継がれてきた。 現在は話せる人も激減してしまったが、マカエンセたちが演じるパトゥア語の劇が、毎年5月に上演されている。その年の社会問題をテーマとしたコメディは、風刺あり、笑いあり。英語の字幕も用意されているし、ストーリー展開もテンポよく、言葉が分からなくても最高に面白いと大人気だ。 小さな街で、独自の文化を大切に受け継ぎ、楽しんでいるマカエンセたち。華やかなリゾートや歴史ある世界遺産、そして彼らの存在を知ることも、マカオの旅をより魅力的なものにしてくれるはずだ。
芹澤 和美