福知山鉄道館1周年 来館者限定、抽選でJR電車基地の洗車体験
鉄道のまち福知山の歴史を伝える、福知山城公園内の「福知山鉄道館フクレル」(森田成章館長)が26日、開館1周年を迎える。運営する京都府福知山市は節目を記念し、開館日の入館を無料にするほか、オリジナルクッキーの販売を始め、来館した小学生以下の子どもたちにロゴ入りの風船やシールをプレゼントする。 新町商店街の中にあり施設が老朽化して休館した鉄道館「ポッポランド1号館」を、新築移転する形で市が建設。個人から2億円の寄付も受けた。全国でも27カ所しかなかった旧国鉄の鉄道管理局が福知山に設置され、多くの蒸気機関車(SL)が配備されたことなどを、SLの動輪、運転士が身につけた鉄道時計、写真、年表といった展示で伝えている。 新旧の福知山駅周辺を再現したジオラマ、SLの火夫体験、運転シミュレーターなど子どもが遊べるスペースもある。お土産やオリジナルグッズをそろえた、入館料無しで利用できる館内ショップも併設している。 開館から今年の8月中旬までに、約4万1千人が来館し、館内ショップは約780万円を売り上げた。市は「鉄道ファンや子ども連れの利用が多く、リピーターも増えています。休日は福知山城を訪れた人が入館するケースもあります」と話す。 今後は、認知度を高めて、さらに来館者を獲得していくことを課題にしており、「のぼりや看板の設置、積極的な広報と併せ、展示物を少しずつ変え、来るたびに違う体験ができるようにしていきたい」とする。
■福知山線開業120周年
JR西日本の福知山線、舞鶴線全線が11月3日、開業120周年となる。市はフクレル1周年に合わせ、JR西日本と協力したイベントを複数企画している。 フクレルの企画展示スペースでは28日から、120周年記念の特別写真展を開催。雪の中を走るSL、D51499などの写真16点と解説パネルを並べ、福知山線、舞鶴線の歩みを振り返る。 また、館内の壁面に、1970年ごろに福知山近辺を走っていたSLと、東舞鶴-福知山駅間を走るJRの電車運転席からの映像をプロジェクターで写す。SLの映像は西日本鉄道OB会福知山支部の杉山勝章さんが提供した。期間は12月23日まで。 11月3日には、記念イベントの一環とし、臨時運行するJR西日本のラッピング列車「森の京都QRトレイン」に福知山駅から乗り込み、半田の電車基地内で乗車したまま洗車を体験できるツアーが開かれる。テレビのニュース番組などで活躍する鉄道好きの斉藤雪乃さんも乗車する。 ツアーの申し込みは、26日から10月11日まで、フクレル入館者限定で先行募集を始める。来館1回につき1口の応募が可能で、40席を用意する。申し込み多数の場合は抽選。参加無料。 フクレルの開館時間は午前9時から午後5時まで、毎週火曜日休館。入館料は大人500円、小中学生250円。