ズワイガニの"そっくりガニ"が大量発生 値段は8分の1!?消費者はうれしい反面...ズワイガニ漁師たちには大打撃「単価が安くなると生活にも響く」
“セコガニ”の値段が上がらず漁業関係者の生活に大打撃
安いカニの登場は消費者にはうれしい反面、このオオズワイガニが出回ることによって、本来のズワイガニの産地では、新たな問題が起きているようです。取材班は、兵庫県新温泉町の鮮魚店を訪れました。 (山米鮮魚 山本静夫さん)「もう売れちゃって、たくさん残ってないですけど…」 3匹1000円で売られていたのは、ズワイガニのメス“セコガニ”です。この値段は去年の半分以下だといいます。 (山本静夫さん)「今年は特に安いです。オオズワイガニが出てから、ズワイガニの子持ちの小さいのは飽和状態になって、値段が上がらない。消費者のみなさんは喜んでいるかもしれないですけど、漁師さんは大変だと思います。カニの味自体が全然違いますしね。(ズワイガニの)価値が出ないというのは、ちょっと残念なことだと思います」 セコガニの大幅な値崩れは、漁業関係者の生活には大きな打撃だといいます。 (漁業関係者)「1年分をここでみなさん稼がないといけないんですけど、単価が安くなるとなかなか生活にも響きますし」 (漁師)「どうすることもできないので、なんとか松葉ガニを頑張ってとって帰ってくるしかないですよね。相場が上がってきてくれることを期待して頑張るしかないです。
オオズワイガニの特徴は?安さで人気となるが“問題”も…
改めて、オオズワイガニの特徴を振り返ると、北海道で去年から特に大量発生しているカニで、「松葉ガニ・セコガニ」と呼ばれるズワイガニとは別のカニです。北海道では例年、年間100tぐらいとれていましたが、今年は4月~10月末で930tの水揚げがあります。 漁の網やカゴを傷つけるため、漁業関係者にとっては悩ましい存在でした。もともと漁の対象ではありませんでしたが、“駆除のため”通年で捕獲し、販売。たくさんとれることから“安いカニ”として全国で流通しています。 その安さから人気となっていますが、『オオズワイガニをズワイガニと偽って売る』事例があり、これを受けて国は、正しく表記するよう業界団体などへ要請しているということです。 また、オオズワイガニが多くとれることで、『ズワイガニ(特にセコガニ)の値崩れ』も生じています。セコガニは、去年にくらべて3割~4割ほど安く流通しているということです。セコガニは今年はよくとれているため、そういう状況も相まって、安くなっているということです。 そして、気になるのは味。人それぞれ感じ方はあるようで、「味が少し水っぽくて劣っている」という意見もあれば、「あんまり変わらない」という意見もあるということです。